石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

漫画

『咲-Saki-(2)』(小林立、 スクウェア・エニックス)感想

女子高生麻雀バトル漫画、第2巻。県予選決勝の先鋒戦までが描かれます。相変わらずスポーツ漫画と萌え漫画の文法を合体させた異色作でありつつ、キャラの見せ方や場の盛り上げ方は正攻法の力強さを維持。百合な気配も保たれており、面白いですこの漫画。

『咲-Saki-(1)』(小林立、 スクウェア・エニックス)感想

美少女麻雀バトル漫画、第1巻。一見ただの萌え漫画風でありながら、(1)意外性ある設定、(2)ターゲットとなる客層の明確さ、(3)キャラ造形の堅実さなど、周到さを感じさせるつくりになっています。百合は思ったより薄口だけど、これはこれであり。

『ゆかひめ!(1)』(ほっぺげ、芳文社)感想

クラス委員長の主人公・姫宮結花がさまざまな女子からもてまくるハーレム百合4コマ。もてると言っても身体的ないちゃいちゃのお気軽さがいかにもヘテロっぽいし、主人公の魅力も不明瞭で、あたしにはピンと来ない作品でした。

『ぷあぷあ?(5)』(コンノトヒロ、講談社)感想

貧乏美少女4コマ、第5巻。最終巻なためかページ数だけは多いものの、中身は定番ネタに安直なヌードを絡めただけの薄口なもの。百合ネタも一応あるものの、描き方はとことん男性目線。乳だの尻だの触手だのが出てくるだけで喜ぶ低年齢層向けかな。

『ぷあぷあ?(4)』(コンノトヒロ、講談社)感想

極貧美少女ギャグ4コマ、第4巻。百合キャラ・サツキは3巻と同じく散漫なニンフォマニアっぷりを発揮中。女の子同士のエロネタがありさえすれば満足できる方にとっては良い作品なのかも。エロ以外のギャグの不条理な笑いや、貧乏ネタはよかったです。

『ぷあぷあ?(3)』(コンノトヒロ、講談社)感想

貧乏女子高生まゆを主人公とする萌え4コマ。サツキからショーコへの想いがぼやけている上に、任天堂を思わせるダメダメ台詞もあって、百合としては今ひとつ。尿ネタなどのエロギャグは増えているので、そちらがツボな人にはいいかも。

『ぷあぷあ?(2)』(コンノトヒロ、講談社)感想

エクストリームな貧乏生活を送る女子高生・まゆを主人公とする萌え4コマ。シュールさを増すギャグは1巻よりさらにパワフル。百合ネタも快調でキャラ立てもうまく、脂がのってきた感じです。

『ぷあぷあ?(1)』(コンノトヒロ、講談社)感想

突き抜けた貧乏ライフを送る3姉妹とその周辺の人々が織りなすギャグ4コマ。お嬢様キャラ・サツキから“かっこいいっ娘”ショーコへの想いが百合。貧乏ネタやエロネタがやや強引ではあるものの、全体的にはシュールめのほんわかコメディと言ったところ。

『バナナのナナ(2)』(鬼八頭かかし、マッグガーデン)感想

友情と冒険のバトルファンタジー、最終巻。まさかのガチ百合(セックスあり)展開となってます。どうやら打ち切りだったらしく、話の詰め込みっぷりがすごいのですが、最終話の吹っ切れたハチャメチャ具合はかえって痛快。つくづく連載終了が惜しまれます。

『バナナのナナ(1)』(鬼八頭かかし、マッグガーデン)感想

主人公ナナ(ボケ担当)と幼なじみの林檎(ツンデレ担当)が冒険の旅をする異能バトルファンタジー。登場キャラたちの能力とその代償がいちいちおバカで楽しいです。ナナと林檎の友情は百合ともとれますが、ヘテヘテ表現も多めなので、過剰な期待は禁物。

『キャンディ(2)』(鈴木有布子、芳文社)感想

女子高生同士のカップルの卒業後までを描くラブストーリー、第2巻。話の核となる葛藤がぼやけていて、引き延ばしに失敗した感がありあり。邪悪な性的プレデターとしてのレズビアンキャラだの女同士の心中だの、古臭い要素が多すぎるところも残念。

『エンドレスルーム』(藤が丘ユミチ、芳文社)感想

名門ホテルを舞台に、オムニバス形式で計6話の百合ストーリーを詰め込んだ短編集。バラエティーに富むキャラたちと、どこまでも色っぽい雰囲気、そして絶妙の間の取り方がたまりません。

『キャンディ(1)』(鈴木有布子、芳文社)感想

女子校でモテモテのボーイッシュ少女・可南と、1年先輩の美少女・千秋の恋愛ストーリー。五感に訴えかける描写が秀逸で、ホモフォビアの扱いもうまく、ティーンらしい恋の初々しさもあって、たいへん楽しく読みました。2巻も楽しみ。

『恋愛彼岸 猫目堂ココロ譚』(東雲水生、一迅社)感想

『猫目堂ココロ譚』シリーズ第3巻。これにて完結。説明台詞が多すぎて説得力に欠ける上、旧態依然としたホモフォビアが恥ずかしげもなく登場します。ただし、後半の伏線回収には「やられた」と思いました。

『ラブフェロモンNo.5(2)』(岩崎つばさ、双葉社)感想

常軌を逸した匂いフェチのかをりとその彼女・香菜のラブラブバカップル4コマ、最終巻。一部の展開に強引さはあるものの、イベントや新キャラをうまく使って、結末まで無事お話が引っ張られています。1巻と違いトランスフォビアは見受けられませんでした。

『Sweet Little Devil』(南崎いく、一迅社)感想

2学年違いの小夜と律子の恋を描く表題作シリーズの他、『百合姫Wildrose』『コミック百合姫』掲載の短編を取り揃えた1冊。当を得たエロ描写、生き生きしたキャラクタ、きちんと計算されたオープニングとエンディングなどに惚れ惚れしました。

『キラキラ』(竹宮ジン、一迅社)感想

カリスマモデル・リアのファンだったサヤが思わぬ人に惹かれていく表題作の他、全3話の「愛しい人」シリーズも収録。タイトル通りキラキラした恋心の描写は美しいものの、説明台詞が多すぎる点や、キャラの欲求が漠然としすぎている点はマイナス。

『ツインケイク』(青井はな、一迅社)感想

憧れのアイドル・鈴蘭のマネージャーに任命された楓が、やがて鈴蘭と恋仲になるお話。キャラが終始受け身なため人物像が漠然としており、ストーリーは説明台詞の力でかろうじて進んで行くだけです。百合云々以前に、フィクション作品として力がなさすぎ。

漫画『ヤングガン・カルナバル(5)』(佐藤夕子[画]/深見真[原作]、ソフトバンククリエイティブ)感想

小説『ヤングガン・カルナバル』のコミック版第5巻。風樹と山神を倒し、ダニエラを守りきったところで完結です。相変わらずの痛みと残酷さ、そして原作と共通するメッセージがよかった。百合方面でも弓華の活躍が光ってました。

『新装版 最後の制服(上・下)』(袴田めら、芳文社)感想

傑作百合群像劇『最後の制服』の新装版。本編に加えて、計40pの描き下ろし、超短編メタ百合小説、没カバーラフなども収録。これらのおまけ部分のエロさと切なさが秀逸で、特に下巻収録の「縛って束ねて、印をつける」とカバーラフがよかったです。

『寒くなると肩を寄せて』(鈴木健也、エンターブレイン)感想

『蝋燭姫』の鈴木健也さんの短編集。昆虫食や結合双生児、聖女の殉教など、世間一般的にはショッキングな素材を扱いつつ、根底に独特の優しさが流れる1冊です。悪魔の娘が人間の娘と仲良くなろうと奮闘する微百合物「少女というより痴女だった」がキュート。

『ささめきこと(9)』(いけだたかし、メディアファクトリー)感想

女子高生同士のラブストーリー、最終巻。蒼井あずさのある気づきと、モダンで前向きなエンディングがよかったです。「百合は異性愛と違って特別すばらしい/美しい」的な上から目線の勘違い賛美に回し蹴りをくらわすかのごとき、爽快な1冊と言えましょう。

『星川銀座四丁目(3)』(玄鉄絢、芳文社)感想

年の差百合ストーリー、最終巻。乙女の自慰シーンがあったり、それを目撃した人への口止めとしての百合Hシーンが出てきたりで、正直「エロでテコ入れしてみました」感は否めません。ただし後半の展開やエンディングは意外にも堅実で、よくまとまっています。

『星川銀座四丁目(2)』(玄鉄絢、芳文社)感想

中学生女子「乙女」と、その13歳歳上の同居人「湊(みなと)」の、年の差百合ストーリー。年齢差設定を扱いきれなくなってきたのか、キャラの行動に説得力がなく、あちこちでドラマが破綻しています。1巻はおもしろかったんだけどなー。

『まんがの作り方(7)』(平尾アウリ、徳間書店)感想

漫画家×漫画家の百合(なはずの)コメディ第7巻。「女が好きでもないのに女とつきあってみたヘテロの話」の気配はさらに増し、読んでてちっとも百合に見えなくて困りました。ギャグのキレも今ひとつ。巻末収録の読み切り「ぴいちゃん」はよかったです。

『まんがの作り方(6)』(平尾アウリ、徳間書店)感想

漫画家同士の百合ラブコメ、第6巻。淡々としたギャグも恋模様も、きゅうりのようにクール。「女が好きでもないのに女とつきあってみたヘテロの話」の気配が濃厚なところは共感も想像もしにくく、読んでてちょっと困りました。

『まんがの作り方(5)』(平尾アウリ、徳間書店)感想

漫画家同士の百合恋愛を描くライトなコメディ、第5巻。メインカップルの恋路は特に進展なし。百合にまつわる俗説を、ポジティブなものもネガティブなものもメタ視して揶揄する第36話と、川口の残酷さをえぐり出す第32話が印象的でした。

『思春期生命体ベガ』(林家志弦、白泉社)感想

地球を守る宇宙人「ベガ子」と、ベガ子に求愛されまくる「鷲峰部長」が織りなす思春期アクション百合コメディ。恋の甘酸っぱさも、破壊力満点のギャグも、テンポのよい話運びも皆よかったです。こういう照れのあるラブストーリーにかけては天下一品ですね、…

『オハナホロホロ(3~6)』(鳥野しの、祥伝社)感想

おそらく両方バイセクシュアルであるらしい、子連れ女性「みちる」とその元カノ「摩耶」とのラブストーリー。6巻で完結。よかった、ハッピーエンドだー!! 2巻の時点で双方に男性の影が差していたので、ハラハラしてたんですよ実は。

『はやて×ブレード(18)』(林家志弦、集英社)感想

評価が難しい巻。綾那とゆかりの因縁対決を始め、百合っぽい部分はそりゃもうけっこうなお手前だったのですが、その後のまとめ方が駆け足過ぎ、かつ説明台詞多すぎ。おかげで「第1章完結」とあるわりにそれらしいスッキリ感はあまりなく、総合すると5段階評…