石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

PCゲーム『処女宮~栗毛の潮吹少女たち』(MINI)レビュー

処女宮~栗毛の潮吹少女たち 限定版処女宮~栗毛の潮吹少女たち 限定版

mini 2004-03-19
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甘々でエロエロでメロメロな女子校レズゲー

夕日が射し込む教室で、
私は、知らない女の子とキスをしていた。

というフレーズにドキッとした人なら即買いです、このゲーム。

一言で言うと、「甘々でエロエロでメロメロな女子校レズゲー(または百合ゲー)」といった感じでしょうか。放課後の教室で「キス、して」と言われたり、見回りの先生の足音にドキドキしながら寄宿舎のベッドで一緒に寝たり、学校を抜け出してデートしたり、そういう要素がてんこ盛りです。18禁ソフトなのでえっちシーンはたくさんあるけど、レズビアンものにありがちな「レズなんだからとりあえずディルドと双頭バイブ出しときゃいいだろ」的なだっさい展開は一切無しで、ぱんつも脱がないラブラブえっちが大半です。男の乱入もまったく無く、ひたすら可愛い女の子たち同士がイチャイチャしまくります。

これよ! こういうゲームを待っていたのよ! ドンドン!(机を叩く音)

コンパクトだが濃い展開

1シナリオあたりのボリュームはかなり少なめで、9日間で1ストーリーが終わります。その中によくもこれほどと思うほど、女の子同士のえっちシーンが詰め込んであります。

普通、短い期間にえっちシーンを多く入れると、どうしてもキャラ達は何も考えてないバカまたは淫乱になってしまいがちだけど、このゲームはそのパターンに陥らずに済んでいます。まだ処女の女の子たちがつい 「好奇心に負けて」「流されちゃって」「気持ちよくて」してしまう、という流れがうまく作られているのと、女の子同士の愛情にポイントが置かれているのが成功理由でしょう。

いろいろ体験して経験値を積んだ最後に「大好きな人と一つになりたい」ってのがドカーンとくるのはストーリーの流れ的にも最高です。最初から最後まで「好きだ、好きだ」って言って いろんな人とやりまくってるんじゃ、愛もへったくれもないもんね。「好き」は本当に大好きな人にだけ言えばいいのさ。

ただし、やっぱり全体的にかなり早い展開なので、プラトニックな恋愛模様を延々楽しみたいっていう人には向かないかもしれません。ゲームのスタート前に切ない片想いをしていたキャラというのが複数あるので、妄想で補完することは可能といえば可能なんですけどね。でも、
個人的には、これ以上プラトニック要素を入れるとシナリオが長くなりすぎてクリアが大変なので、これぐらいの割り切り方でいいのではないかと想います。

絵・声

絵柄はロリっぽいかなと思ってたんだけど、プレイしてみたら全然気になりませんでした。よくある変にアニメっぽい絵とは違い、漫画かイラストのような繊細なタッチなのがとてもよかった。原画から彩色まで全部同じ人が1人で担当されたそうですが、すっかりファンになってしまいましたよ。甘~いラブラブ絵に萌え。

声優さんも上手。特にユキの声には、脳天痺れるかと思いました。

「なに?」

とか、

「あなたの本じゃ、ないの?」

とか、そういう何気ない台詞でもう背筋がぞくぞく。ひっそりした猫のようなユキというキャラクターに合っていたと思います。

テキスト

読みやすいです。主人公の天然ボケぶりが嫌味なく描かれていて楽しかった。他のキャラたちの台詞回しも、普通の女の子たちの普通の魅力がてんこもり……というのは妙な誉め方ですが、どこかそのへんにいそうな感じととびっきりキュートな感じが両立してるのよね。どのキャラを攻略してても、「あああこの子がいちばん可愛い!」と思いましたもん。(単にあたしの節操がないのか?)

他に上手いなあと思ったのは、食べ物や飲み物の描写。とっても丁寧で、美味しそうなの。こういう文章を書く人はえっちシーンも上手なはず、と思ってたら、やっぱりその通りでした。濃厚なえっちから稚拙なえっちまできちんと書き分けられていて、しかも、気持ちよさそう。お見事。

疑問点など

さて、誉めてばっかりでも説得力が無いので、いくつか苦情と疑問など。

  1. エピローグで、千夏ルートの卒業旅行をちゃんと描いて欲しかったです。
  2. 結局秋穂さんが何者だったのかよくわかりません。
  3. 結局アンジェラが何者だったのかもよくわかりません。
  4. (これが一番言いたい)サブタイトルの「~栗毛の潮吹き少女たち」をなんとかしてください。

でも、なんだかんだ言って、このゲームの続編が出たら絶対買うぞ。はあはあ。