石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

映画『新・百合族2 もう森へなんて行かない』感想

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女子高生の可愛らしさ炸裂

オチがちょっとご都合主義的なのと、百合百合した愛情がわりと薄口なのとで、前作『新・百合族 先生、キスしたことありますか?』よりやや評価は落ちる感じ。でも女子高生同士が喧嘩したりじゃれあったりするシーンはとても可愛いし、冒頭から全裸の絡みシーン(もちろん女性同士)が出るなどサービス満点なところは高く買いたいです。

前作との相違点

一応は前作の続きという設定らしく、主人公さとみ(三浦綺音)は綾子先生(真弓倫子)と同居中ということになっています。が! 今回、綾子先生は「京都に出張中」という設定なので、冒頭にしか出てきません。それでも一応キスシーンや絡みのシーンはあるので、綾子先生ファンの人はそれを見て我慢しましょう。ちなみにこのキスシーンがなかなかかっこよくて、ちょっと惚れ直したりしました。

なお、前作での晶子やかのこの存在はすっぱりと忘れ去られており(それとも、あの後いろいろあって別れたという設定なのでしょうか?)、話には一切登場しません。その代わり、山本家の新たな下宿人にしてクラスメイトの朋子(沢田奈緒美)と、美術の先生・みやこ(原久美子)が主人公と絡むことになります。さとみはみやこ先生に恋心を抱き、朋子はみやこ先生の恋人である男性に憧れる、という設定で、この女子高生ふたりがみやこ先生に誘われて絵のモデル(もちろんヌードだ!)になったことから、物語の歯車が動いていきます。

新キャストについて

朋子役の沢田奈緒美、体は悪くないんだけど顔が地味ねえ。あんまり派手派手しい顔立ちの人にしちゃうと役柄に合わないってこともあったのかもしれませんが。みやこ役の原久美子は、綺麗だと思います。とくに横顔やあごのラインがいいかな。

イチオシポイントベスト5

  1. やきもちを妬いてむきになるさとみ(かわいい)
  2. 朋子が1人カラオケで熱唱する「学園天国」(おバカでステキ)
  3. 「前金で払っちゃったから」という理屈(笑いました)
  4. 3の後、無言でガラスドアを閉めるさとみ(ナイス演出)
  5. 下着姿でキャーキャーじゃれあうさとみと朋子(眼福)

ネタバレを避けるため、詳しい言及は避けますが、上記5点がとてもよかったです。

セクシーシーンについて

前作の「7~8分に1度は全裸または半裸が出てくる」という方針はほぼ健在です。そのため、登場人物たちは不自然なほどしょっちゅうお風呂に入っていますが、そこはそれ、お約束ということで割り切って楽しみましょう。なお、さとみと朋子が半裸で絵のモデルをするシーンは妖しい魅力があってなかなかいいです。女性同士の全裸Hシーンも何回かあるけど、決してエグくならずに美しくまとめているのが好印象。

ストーリーについて

前作よりも切なさは少なめです。全員が百合キャラではなく、男性萌え(『異性愛者』というのとはちょっと違う気がする)な人もいるので、「こんな映画なのに、男が好きだなんて許せない! ムキー!」と思ってしまう人にとってはサゲな部分がいくつかあるかも。でも、この話は、誰がノンケで誰がレズ、とかは考えずに「あー、そういうこともあるよねー」と思いながら見るのが正しいんじゃないかな、と思います。誰が好きかとか誰と寝るかとかは、そんなに簡単に割り切れるものじゃないもん。

ただし、それでも、一部のやや唐突な展開には「何で?」と思いましたが。なんであの人があの時そこにいるわけ? それに、あの人とこの人はどうして急に態度を変えるの? などなど、疑問点も多々。まあ、「そうしないと話が収束しないから」というのが主な理由でしょうが、他に方法はなかったのかとも思います。

その他

上記「イチオシポイント」のところで書いた、ガラスドアを閉めるシーンなんかもそうなんですが、この作品、演出がすごく心憎いんですよ。あれこれ説明しすぎずに、画像でさりげなくかつ鮮やかに表現するのがうまいの。そういうところは、見ていてすごく楽しかったです。

まとめ

後半でややとってつけたような展開があるのが難ですが、全体的にはよくできた作品だと思います。前作の最大の売りが「切ない恋模様」だとしたら、この作品の売りは「女子高生ふたりの可愛いやりとり」でしょうか。女子高生好きな方は、ぜひご覧あれ。