石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

PCゲーム『雷の戦士ライディ ~破邪の雷光~』(ZyX)レビュー

雷の戦士ライディ ~破邪の雷光~雷の戦士ライディ ~破邪の雷光~

ZyX
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レズゲーというよりバカゲーな、3DダンジョンRPG

1994年に発売された3DダンジョンRPGのリメイク作品。Hシーンの文章が手抜きすぎ、かつ短すぎてレズゲーというより脱力系のバカゲーにしか見えません。さらに、SMゲーとしてもRPGとしても今ひとつ。唯一素晴らしいのが、リメイクで新たに描き直された女の子たちのグラフィックなのですが、画集だと思って買うにしても定価(税込み7140円)は高すぎでしょうこれは。

見よ! このバカゲーっぷりを!!

1. しょーもない擬音のみのエロ描写

エロ描写が能天気な擬音だけなので、読んでるうちにアホらしくなってきます。百聞は一見にしかず、まずこの描写をご覧ください。

ずっぷずっぷずっぷ

女魔道師「あら? もうイっちゃうの?」

ずっぷずっぷずっぷずっぷずっぷ!

言っとくけどこの前後に淫靡な会話だの描写だのは皆無ですからね。行為はひたすら機械的に「ずっぷずっぷずっぷ」と形容されるのみです。えーと、これは何かのギャグですか? これで興奮できる人っているんですか?

ライディのエロ描写ってこんなんばっかりで、たいていはほとんど擬音しかありません。ちなみに、これより激しめのHシーンだと、こんな感じ。

ずっぷ! ずっぷ! ずっぷ! ずっぷ! ずっぷ!

えーとこれは何かの(略)。

小学生男子の幼稚なエロ話じゃあるまいし、もっとこう、何がどうなってどう気持ちいいのか具体的に描写せんかい! 300円で買えるエロ漫画雑誌だって、いやネットで無料で読めるエロ同人作品だって、もっともっとやらしい台詞とか擬音とか形容とかに心を砕いてるぞ!

2. エロシーンを途中で投げ出す主人公

主人公ライディはものすごくあっさりエロシーンを中断してしまう傾向にあり、これはもう「尺が短い」というレベルを超えて果てしなくバカっぽいです。エロに淡白なエロゲの主人公って、存在自体が形容矛盾よ!

例1:1F中ボス勝利後のHシーン(ライディが女性キャラの中ボスにSMチックなお仕置きをする)の真っ最中にて。

ライディ(突然行為を中断し)「あらっ? 鍵だわ。あの牢屋の鍵かしら? それより女の子(引用者注:塔の牢屋にとらわれている女の子たちのこと)を助けないと……」(と半裸の中ボスを放り出してどこかに行ってしまう)

何この「あらこんなところに牛肉が」みたいなとってつけたような展開。ていうか、このシーンを見るために一生懸命レベル上げして中ボス倒したユーザの立場は。

例2:2F中ボス勝利後のHシーン(同様に、SMお仕置きをする)の真っ最中にて。

ライディ(突然行為を中断し)「…あらっ? 又鍵が落ちてる。きっと牢屋の鍵ね」(と半裸の中ボスを放り出してどこかに行ってしまう)

……ひょっとしたらこれは繰り返しギャグのつもりか何かなんでしょうか。ちなみに他の階でも、表現は微妙に違えど「主人公がすぐ飽きてHシーンを放り出す」展開は変わらず、心の底から脱力しました。

3. それは本当にミノタウロスなのか

中ボスもザコキャラも全部可愛くてえちぃ女の子なんですが、「ミノタウロスが現れた!」で出てくるザコキャラがホルスタイン模様の服着てたときには笑い死ぬかと思いました。そりゃ確かに牛だけど。可愛いけど。やっぱ、バカゲー路線よねえ……。

SMゲーとしてもレズゲーとしても今ひとつ

これは一応SMゲーのはずなんですが、前段で書いたようにHシーンの描写がアホみたいな擬音一辺倒な上、ライディが自分からホイホイ脱ぎすぎて屈辱感や恥辱感が全然ありません。ちなみに、強いはずのライディが実にしょーもない理由で安易に男性キャラに身を任せるシーンがあったりもするので、レズゲーとしてもバツですね、こりゃ。他にも男女の絡みやレイプシーンなどがあるので、そういうのが見たくないレズゲーマーさんにとっては、かなりの地雷だと思います。

RPGとしても寒い

ザコもボスも攻撃が単調。ライディの攻撃も単調。強さがほぼレベルだけで決まってしまい、装備や戦法で工夫することもできません。階が上がるごとにザコが異様に強くなるため、黙々とレベル上げをしなければ次に進めないのも面倒です。下の階で中ボスを倒した後、ひたすらザコを倒し続けて3~4ぐらいレベル上げしておかないと、上の階ではにっちもさっちも行かないんですよ。我慢できないほどではないのですが、せっかくリメイクするなら、このバランスの悪さもなんとかすればよかったのに。

絵だけはおすすめ

今回新たに描き起こされた絵だけは、綺麗でえちくてとてもいいです。中ボス(全員女性)のみならず、ザコキャラ(これも全員女性)の絵にも気合いが入っています。上の方で書いた「ミノタウロス」なんかもそうですが、これは「よくあるモンスターの名前をお題にして、どこまでエロ可愛いキャラを作れるか」という限界への壮大なチャレンジ集と言っても過言ではないかと。「ずっぷずっぷずっぷ」しか書いてないエロシーンの文章なんかより、ザコキャラの負けポーズの方がよっぽどえちぃぐらいだし、特に貧乳描写なんてすごくいいですよー。

でも、冒頭にも書いた通り、この絵のためだけに買うにしても定価7140円は痛いです。ワゴンセールで1000円とか2000円とかになってたら、まだ考えてもいいかもしれませんが。

まとめ

レズゲーというより「バカゲー」あるいは「エロ可愛いモンスター画集」として割り切って買うしかない作品です。逆に言うと、レズゲーとしてはバツ。おすすめしません。

蛇足

3DダンジョンRPGのレズゲーって、作りようによってはもっと濃くて面白いものになると思うんですけどね。たとえば、ダンジョン内の牢にとらわれた女の子のうち誰かひとりのキャラを立てて、その子を助けるところを中盤の山場にし(当然その女の子とのラブラブHを入れる)、最後の敵を倒してから崩れ行く塔の中で感動の再会、助け合って脱出の後ハッピーエンド、とかさ。そうやって話を盛り上げる箇所を作ってしまえば、あとは演出次第でコメディにも暗く哀しい話にもできるし、いろんな可能性を秘めたジャンルだと思うんですけど。そういう意味で、ライディは、シナリオさえ良ければ神ゲーに化けたかもしれないもったいない作品だと思いました。