石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『最後の制服(全3巻)』(袴田めら、芳文社)感想

最後の制服 1 (1)

最後の制服 1 (1)

最後の制服 2 (まんがタイムきららコミックス)

最後の制服 2 (まんがタイムきららコミックス)

最後の制服 3 (まんがタイムきららコミックス)

最後の制服 3 (まんがタイムきららコミックス)

優しい筆致の女子校寄宿舎もの

面白いですねこれ。「女子校寄宿舎もの」という、このジャンルでは既におなかいっぱいな設定なのに、百合ジャンルそのものをきちんとメタ視してみせている部分があって、とても新鮮でした。さらに、メタ視しつつも誰も切り捨てない優しい筆致にも唸らされました。

何が言いたいかというと、「タマちゃんのエピソードがいいよ」ってことなんですけどね。登場時には名前すらなく、はっきり言ってキモい百合ヲタ役を振られていたタマちゃんですが、後々になって描かれる彼女の内面がすごくいいんです。ある意味、タマちゃんは『放浪息子』(志村貴子、エンターブレイン)のマコちゃん的な立場の名バイプレイヤーなのではないかと思いました。こういうキャラクタが脇をしっかりと固めることで、お話の「絵空事」感がなくなって(あるいは薄くなって)、読み手の胸にずしんと響いてくるんだと思います。

全体を通じてホモフォビックな空気がゼロなのもありがたかった。1~3巻をまとめて買ったのですが、良い買い物でした。少々クセのある絵なので、それに抵抗がなければおすすめ。