石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『マギーペール(1)』(高木信孝、ワニブックス)感想

マギーペール 1 (ガムコミックスプラス)

マギーペール 1 (ガムコミックスプラス)

元気で可愛い学園魔法少女物

「魔法なんで大嫌い~!」な主人公の“まりあ”が転入した先は、魔法使いの名門「金雀枝学園」だった! そこで彼女を待ち受ける“おねえさま”との運命の出会い♪ はたして彼女は、“魔法使いのスイート”になれるのか? 突発的百合系魔法ヒロイン・まりあの活躍(!?)を描いた、まじかる学園ファンタジー☆

……というあらすじ(Amazonより)の百合漫画。要はマリみてにハリポタや魔法少女物の風味をミックスしてドタバタコメディの要素を入れたようなお話です。同作者さんの『@ホーム~姉妹たちの想い~』(富士見書房)よりも話の起伏がダイナミックで、キャラにも魅力があり、楽しく読むことができました。なお、今のところ女のコ同士の関係はキスシーン(それも『誓約の認証』としてのもの)どまりであって恋愛要素はほとんど無いのですが、それはそれ、これはこれ。元気で可愛いお話を追っていくだけでじゅうぶん面白くて、恋愛色の薄さはまったく気になりませんでした。

お話の起伏について

「スイートになりなさい」→「嬉しい、お姉様!」みたいな単純な流れじゃないところが面白いですよね。聖愛がもともと魔学が嫌いだという設定も、単なる設定のための設定ではなく、嫌いな理由にパンチが効いていて(まさか、あそこまで直球とはっ!)よかったです。

マギーのマスターたちが初めて聖愛に会ったときのシークエンスなんかも、しっかりひとひねりしてあってよかったなあ。こういうところにうまくアイディアが注ぎ込まれているおかげで、お話が終始生き生きと動いていると思います。

キャラの魅力について

聖愛と玲有の対比・対立がきちんと描き出されているので、それぞれの性格や思っていることの違いなどがはっきりとわかり、キャラに深みが出ています。聖愛のお母さんや魔獣の「うにゅ」、マギーのマスターたちなんかもそれぞれ個性的でよかったです。

その他

  • ヌードや下着シーンの描き方があざとくなくて好きです。まずヌード(※全裸入浴シーンありです)の方は、よくある「オナニー用のエロでござい」みたいな安っぽいデフォルメがなく、優しくて丁寧な描き方をされていると思いました。さらに下着に関しては、ブラの描き分けがとてもいい感じ。ちゃんと中高生ぐらいの女のコが好みそうなものを、キャラの性格に合わせて描き分けてあるんですよ。
  • うにゅがとにかく可愛い! 帯やカバー裏のアオリ文句で「(聖愛と玲有が)『うにゅ?』で“オンナノコ”な関係になっちゃう」などと、まるでエロ行為でも指す単語であるかのように扱われている彼(彼女?)が、不憫でなりません。
  • 「異性愛こそ正常」というノリは、『@ホーム~姉妹たちの想い~』に比べるとかなり少ないです。ゼロではありませんが、これぐらいならまだ許容範囲かと。

まとめ

お話にメリハリがあるし、キャラも魅力的だし、続きが気になる1冊でした。うにゅをダシにして妙に思わせぶりな売り方をしてなければ、もっと良かったのにー。でも2巻も買いますけど。