石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『リベルラ』(松原香織、桃園書房)感想

リベルラ (TOEN COMICS)リベルラ (TOEN COMICS)
松原 香織

桃園書房 1997-04
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ユニークな設定と高い画力に支えられたレズビアン物

18禁エロ漫画。収録作「エスケープ(ACT.1〜7)」がレズビアン物で、主人公の少女のえると謎の少女モナミ&シビルとの奇妙な三角関係が描かれています。モナミがトンボ少女(身体は人間で、羽根がついている)、シビルがスズメバチ少女(同)という突飛な設定にもかかわらず、高い画力と「交尾」という概念をうまく使った展開が不思議な説得力をもたらしていると思いました。女性同士のエロシーンもラブくて綺麗でやわらかそう(特にシビルとのえるの絡みとか)で、とても良かったです。

トンボ少女とスズメバチ少女

突然現れた羽根つき少女が無邪気に主人公とセックスしたがるというだけなら、既に手垢のつきまくった設定だと思うんですよ。この『リベルラ』が斬新なのは、その少女(たち)が昆虫であるという点。そもそも「人間の身体での交尾の仕方を教えろ」とのえるに迫るモナミの台詞(p16)からして、

やっぱりメスに生まれたんだから
たくましいオスに首をがっちりと力強くはさみ込んでもらって生殖嚢からたっぷりと……

だったりする(そしてのえるから『それはトンボの場合でしょ!!』と突っ込まれる)のがおかしくてしょうがありません。また、スズメバチであるシビルのオスに対する意識がモナミとは大きく違うとか、だからこそ積極的にのえるを口説くとかいうあたりも非常に面白かったです。

絵について

女のコの身体の描き方が、よくある「女体っぽく見える線を妄想だけで適当に引きました」って感じじゃないんですよね。「きちんとした骨格があって、そこに腱や筋肉や脂肪がついて、触れば手ごたえのある生身の身体が構成されている感じ」という言い方で伝わるでしょうか。もちろん漫画的にデフォルメはされているのですが、あの立体感とリアル感はすごいと思います。特に背中や脚のラインの描き方など、とても好きです。あとシビルの乳の重量感もな!

その他

  • お話の中では人間のオスに惹かれるモナミにのえるが嫉妬したり、その一方でのえるとシビルの関係にモナミが嫉妬したり、はたまたモナミに女性同士のセックスを教える女性がいたりと、わりと複雑な四角・五画関係が展開されていくのですが、ストーリーの流れはすっきりしていて読みやすいです。まだ完結していないようなので、とりあえず続刊の『エスケープ』(シュベール出版)を探して購入するつもり。
  • 『リベルラ』の、「エスケープ(ACT.1〜7)」以外の収録作4本は男女物です。ロリネタに加えて近親ネタもあるので、苦手な方はお気をつけて。

まとめ

トンボ少女とスズメバチ少女という設定をうまく使ったユニークなレズビアンエロ漫画でした。高い画力で愛とエロを丁寧に描いた一冊であり、読んでいてとても楽しかったです。