石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『百合色螺旋』(三国ハヂメ、笠倉出版社)感想

百合色螺旋 (カルト・コミックス BINETUコレクション)

百合色螺旋 (カルト・コミックス BINETUコレクション)

人外多めのエロ漫画短編集

1冊丸ごと女のコ同士のエロ漫画短編集。全9話中3話がふたなり物ですが、あとはすべて女のコ同士のお話です。タイトルに反して、手垢のついた女子校お姉さま物などはひとつもなく、それどころかうさぎ娘や猫又、座敷童子など人間以外のキャラがのびのびと活躍しているところがよかったです。エロ描写も繊細でかつ尺が長く、好印象。

ケモナーな百合好きは必見

バニーや猫又など、耳としっぽが動物な「一部ケモノ」娘が大活躍です。裏表紙カバー下のひつじ(やぎ?)娘も可愛いなー。ちなみに獣人娘以外、つまり人間同士のお話もちゃんと入ってますよ。

座敷童子もいいですよ

「百合における着物で着衣エロ」という点が新機軸だと思いました。しかも、前合わせからうまく手が入れられなくてとまどう相手に「――こっちだ」と顔を赤らめながら導くところとか、猛烈にえちいです。

繊細なエロ描写

非ふたなり物に関して言うと、よくある男女セックスをなぞっただけの投げやりなエロ描写ではなく、「気持ちよくする」「気持ちよくなる」ことに重点を置いたきめ細やかな描き方だと思いました。『ULTRA SWORD』(林家志弦、コアマガジン)の雪が泣いて喜びそうな細かい気配り満載、というか。「指と舌」派の皆様もこれなら満足でしょう。

あと、冒頭にも書きましたが、全体的にエロシーンは長めで、かつみっちり描き込んである感じがします。ひょっとしたら、収録作のほとんどが同人発表作品なため、ページ制限が商業ほど厳しくなかったということもあるのかもしれません。

まとめ

「百合で人外キャラ多めで『指と舌』で、ところによりふたなり」といった感じの作品集でした。男の乱入もなく、絵柄も可愛く、エロ描写も丁寧でとてもよかったです。おすすめ。