石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『Ladyワトソン』(山咲梅太郎、メディアックス)感想

Ladyワトソン (MDコミックス)Ladyワトソン (MDコミックス)
山咲 梅太郎

メディアックス 1996-02
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女性ホームズ×女性ワトソンのスチームパンク

18禁エロ漫画。19世紀ロンドンを舞台としたスチームパンク設定で、しかも女性ホームズと女性ワトソンがレズビアンの関係にあるという異色作。レストレードはショタ、アルセーヌ・ルパンは蒸気人間、そしてホームズは魔術使いという変わり種です。ただしほぼ毎回男性との絡みがある上、ふたなりエロや張り型や男性器そのものの登場率も高いので、♀♀要素だけを目当てに買うと肩すかしをくらうかもしれません。あくまでホームズ物のエロパロの一環としてレズビアン要素「も」入ってる、ぐらいのつもりで読むのが吉かと思います。

ホームズ物としての『Ladyワトソン』

元ネタファンとしては、まず各話のタイトルを見ただけでにやりとさせられました。第1話から順を追って書き出してみると、こんなです。

  1. ルパン対ホームズ
  2. 踊る人形
  3. まだらのひも
  4. 青いガーネット
  5. 3人ガリデブ
  6. 恐怖の谷
  7. 瀕死の探偵
  8. 最後の事件
  9. 最後の挨拶

全体的には、まず「ルパン対ホームズ」でメインキャラのルパンやレストレードを紹介し、1話完結でいくつか話をこなした後、「恐怖の谷」以降できちんとクライマックスをつくって結末を迎えるという流れになってます。タイトルをちゃんと生かした構成であるところがとてもよかったです。

レズビアン漫画としての『Ladyワトソン』

ホームズとワトソンの絡みはいっぱいあるのですが、どちらも相手にそれほどの思い入れがなさそうに見えてしまうのがマイナスポイントかなー。エロ漫画らしい能天気さと言ってしまえばそれまでですが、目の前で相手が他の人(男とか)とやってても全然嫌がらずにあっけらかんとしてるんですよね、ふたりとも。あと、お約束のようにお道具が出てきたり魔法でなんか生えたりするところも、自分にはあまり合いませんでした。さらに、「恐怖の谷」で出てくる、一面に○○○が生えた壁が迫ってくる仕掛けはまさに恐怖。○○○どころか野郎のケツさえ見たくないという百合スキーな方には決しておすすめできない漫画だと思います。

ただし、ホームズとワトソンの「最後の挨拶」でのいちゃいちゃぶりは必見。なんとホームズがお話の最後まで○○だったという、『チョコレート・メランコリー』(島本晴海、コスミックインターナショナル)にも共通する設定がここで生きてます。ホームズかわいいよホームズ。

スチームパンクとしての『Ladyワトソン』

蒸気人間のルパンがありえないような変形をするところなど、面白かったです。ただ、欲を言うと、もう少しいろいろなガジェットが出てきてくれるともっと嬉しかったかも。後半はスチームパンクというより魔術ものになってしまってますし。

まとめ

ホームズのパロディだったりスチームパンクだったりするあたりは斬新でとても面白かったです。が、百合/レズビアン物として読むにはホームズとワトソンの間の愛情がやや希薄(最終話は別として)な上、男性器(または男性器状のもの)の出現率が高すぎるかと。冒頭にも書きましたが、あくまでパロディの一要素として同性愛「も」入っているぐらいの認識で読むべき作品だと思いました。