石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『もっと! 委員長(1)』(内村かなめ、一迅社)感想

もっと!委員長 (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

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マイルドなSM&百合を基調とするギャグ4コマ

物心ついたときからM属性だったエリート変態の風紀委員長・松浦ちよと、その幼馴染みでSっ気120%の風紀委員・上野えみ、ちよの思い人で不良でノンケの宮沢ゆか、後輩風紀委員の上田なみ、ちよとえみの幼馴染みのはずの佐久間とも子、焼きそば屋の看板犬のジョンらで繰り広げる変態系学園コメディが単行本で登場!!

……というAmazonの内容紹介がほぼすべてを語りつくしているギャグ4コマ。ただし、この漫画におけるSM要素は少しピントがずれているため、全体としてはさほどヘンタイ(褒め言葉)度は高くないとあたしは思いました。百合要素もあくまでちよの片想いだったりしますし、どちらかというと「マイルドなSM&百合コメディ」という視点で楽しむのが吉かと。

『もっと! 委員長』の百合要素について

ちよのゆかに対する執着と興奮ぶりがかなり濃くて面白かったです。ゆかのノーパンにエキサイトして鼻血を噴いたり、身体検査でゆかの裸を見たがったり、ゆかが浸かっているプールで

ふふふふふふふっ プール全体が ゆかさんのエキス!! きっとジューシーでトロピカルでデリシャスで
とりあえずひとくち

と一口飲もうとしてみたり(p93)という素晴らしいヘンタイ(褒め言葉)っぷりにウケました。また、ちよの幼なじみ・くま(佐久間とも子)のちよに対する友情とも恋情ともとれる執心も面白かったし、女のコが女のコに恋をすることをなんとも思わない周囲の雰囲気も、風通しが良くていい感じでした。

『もっと! 委員長』のSM要素について

ちよがドMで、他の生徒たちから罵られたり責められたりすると興奮するとか、そのためにわざと厳しく取り締まりをしたりするとかいう設定自体はとても面白いと思うんですが、その反面で「これってMとは違うんじゃね?」という描写もかなり目立つと思います。

具体的には、「刺激が欲しくて自分の弁当を激辛&激甘にする」(p39)、「自分の不注意による怪我の痛みで喜ぶ」(p20、46)、「遅刻しそうになって走って疲れたことに興奮する」(p29)などのエピソードあたりなんですが、これらはどちらかというと「自虐」や「自傷」であって、「相手から苦痛を与えられることによって快楽を得る」というマゾヒズムとはまた別ものなんじゃないかと思うんですよ。少なくとも、「とにかく苦痛ならなんでも喜ぶのがM」みたいなノリになってしまっている点はどうかと。

まとめ

ホモフォビア皆無のライトな百合コメディ。面白いことは面白いのですが、2巻以降でもう少しはっちゃけてくれると嬉しいかも。あと、ちよのM気質の描写が時々謎なことになっている点が残念でした。