石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『蒼い海のトリスティア ナノカの発明工房日記』(結城さくや、メディアワークス)感想

蒼い海のトリスティア ナノカの発明工房日記    電撃コミックス

蒼い海のトリスティア ナノカの発明工房日記 電撃コミックス

トリスティアのキャラと世界を忠実に漫画化

PC百合ゲー『蒼い海のトリスティア』の漫画版です。ストーリーはオリジナルで、ゲームには登場しない(OVAのキャラです)ナノカのライバル「パナビア・トーネイド」が加わっているのですが、まったく違和感なく楽しむことができました。ネネからナノカへの燃えさかる愛が健在なのもうれしいところ。あと、全年齢向け漫画でありながら、かなりきわどい色気が醸し出されていているところもナイス。ゲーム版にはまった人なら必読の、楽しい一冊だと思います。

パナビア・トーネイドについて

ジュニアアカデミー時代からナノカをライバル視していたキャラ、という設定なのですが、単なる憎まれ役ではないところがいいですね。特に最後の2話あたり、可愛すぎますこの人。また、お話全体を「パナビアのナノカへの復讐」というテーマでつないでいくという意味でも重要なキャラだと思いました。

ネネからナノカへの燃えさかる愛について

相変わらずの暴走っぷりで、楽しいったらありません。特に第4話の地酒「採捨庵」を飲んでのご乱行が目玉かと。ゲーム版のあの雨中の大告白のようなつらいシーンはなく、代わりに愛だけがガンガン描かれていくので、ネネファンはご安心を。

色気について

いや、年齢コードにひっかかるようなエロ展開はひとつもないんですよ? なのに、やたらと色気があるんですよ、この漫画。
ざっと思い当たるだけで、

  • 触手に捕まったフォーリィ
  • 息を切らし目に涙を浮かべながら「……ッ!」と口を開けるフォーリィ
  • ナノカを押し倒すネネ
  • ラファルーのきわどいスク水姿
  • ナノカデザインによるリボン服のフォーリィ

などなど、下手な全裸エロよりセクシーなシーンが山ほど。このへんの遊び心、好きですねー。

まとめ

傑作百合ゲーのイメージをまったく崩さない、よくできた漫画でした。ネネからナノカへの愛も輝いて(ていうか暴走して)ますし、百合目当ての方にも安心しておすすめできる良作だと思います。