石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『南波と海鈴(2)』(南方純、一迅社)感想

南波と海鈴 2 (百合姫コミックス)

南波と海鈴 2 (百合姫コミックス)

うーん……薄い……

猫耳少女「南波」とお嬢様「海鈴」のほのぼの学園百合漫画、第2巻。人によって好みが分かれるところでしょうが、あたしにはやや薄すぎて、あんまり合いませんでした。描きおろしの番外編にはいちおう子供時代のほっぺちゅーの場面なんかも出てくるのですが、本編自体は非常に淡泊で、ちょっと物足りなかったかなと。百合を標榜する(帯にも『ゆりゆりな日々』とか書いてありますしねー)のなら、たとえ友愛路線でも、もう少し女のコ同士の感情の色濃さが欲しかったと思うんですよね。

この巻では南波の姉「二波」の過激な妹溺愛ぶりこそ描かれていますが、彼女はあくまでその熱狂っぷりを嗤われる役回りであり、メインカップルふたりは単にふわふわした友情路線をキープしているだけ。とりあえず「あとがきまんが」では百合風味なサービスカットが2点ほど出てきますが、正直そうしたカットよりも、ストーリーの盛り上がりで女のコ同士の心の結びつきを打ち出してくれた方が個人的には嬉しかったです。

ただし、逆に言えば、「女のコ同士のゆるふわ仲良しっぷりは見たいけど、あんまり百合百合した話だと引く」という方にはちょうどぴったりの漫画なのかもしれません。「恋愛要素はない方がいい」という方にも向いているでしょう。そういうわけで、好みによってかなり評価が分かれそうな1冊だと感じました。