石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『少女の日』(のぞみ侑海、コアマガジン)感想

少女の日少女の日
のぞみ 侑海

コアマガジン 2001-10
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コミカルなレズエロ漫画2作品あり

18禁エロ漫画。♀♀話の「悩める美和ぽんの憂鬱な一日」「唐沢さんちの猫ちゃん」は、いずれもギャグタッチのライトな凌辱系ストーリーです。個人的にはもう少しダークな雰囲気の『ぽぽんが劇場』(コアマガジン)の方が好きですが、コミカルな百合エロがお好きの方にはこちらの方が合っているかも。

「悩める美和ぽんの憂鬱な一日(前篇・後篇)」について

主人公のSのお姉さま「美和ぽん」が、卒業してしまった「桜お姉さま」に会えない憂鬱な日々を、下級生の双子「舞」と「環」を調教することでやり過ごすというストーリー。同じレズビアンエロ漫画でも、同作者さんの「天使は笑う」(『ぽぽんが劇場』収録)のような昏さはなく、コメディタッチの学園SM調教ものとなっています。

SMがただの暴力ではなく、ペットとして調教される舞と環の側にそれを楽しんでいるフシがある(特にカバー下のおまけ漫画に顕著)ところが楽しいです。留意点としては、ペニバンやらアナルバイブやらのお道具が多用されているため、「指と舌」派の方には向かないことぐらいでしょうか。あと、恋愛色はわりと薄めなので、エロよりラブを求める方にはちょっと物足りないかも。あくまで、「コミカルでえちい話」という系列ですなこれは。

「唐波さんちの猫ちゃん」について

主人公「芹香」が死後の世界で女性の堕天使(?)「いさり」に凌辱されるお話。これもギャグっぽいお話で、芹香はいさりの趣味で猫耳・猫しっぽ・猫てぶくろを装着させられたりしています。ふたりともなんか生える上に、ある特殊嗜好の要素もあるので、けっこう人を選ぶかなー。

その他の収録作について

上記3篇以外はすべてヘテロものなのですが、巻頭に収録されている「夏来にけらし」がとてもよかったです。夏の暑さやローカル線のひなびた雰囲気、そしてその中で描かれる高校生たちの姿など、どれも詩的な味わいとせつなさがありました。男女エロ話ではあるんですが、女のコが女のコの指を口で愛撫するシーンなんかもあってドキドキ。爽やかなオチも夏っぽくて、すんごくよかったです。

まとめ

百合エロ作品に関しては、「陰惨でないギャグタッチのSM」「愛よりもエロ」「お道具またはなんか生えたものを使用」というのが3大特徴ですね。ツボな方はぜひどうぞ。あと、ヘテロものの「夏来にけらし」の抒情性がとてもよかったので、ああした路線で百合話を描いてくださったらものすごく嬉しいと思いました。別に18禁じゃなくても、百合姫Wildroseあたりにちょうどいいんじゃないかと思うんだけどなー。