石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『BATH communication』(江川広実、メディアックス)感想

BATH communicationBATH communication
江川 広美

メディアックス 1995-07
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お風呂が舞台の18禁百合エロ漫画

主人公「湧子」(ゆうこ)が腹違いの義姉「香子」(きょうこ)とお風呂で痴態を繰り広げるコミカルなエロ漫画。繊細な絵柄によるキス絵や絡み絵が美しいし、女のコのイキ顔の描写とかもすごく綺麗です。あと、オモチャの使用が非常に多いのに、全然それが「ヘテロセックスの真似ごと」的な表現に陥っていないところも拍手。いくら女同士のエロでも、

  • 棒と穴の結合部分の描写に固執
  • 挿入&ピストン運動だけで女のコが都合よくよがり出す

みたいな描き方だとノンケ男性のペニス信仰入りすぎててげんなりするんですけど、この漫画は全然そんなことがなく、キスやハグや「指と舌」表現など、隅々まで配慮が行き届いていてよかったです。ちなみに表題作のスピンオフ短編「GIRL's TALK communication」も、ギャグタッチなのに女女エロにはしっかり力が入っていてナイス。

男性との絡みアリです

注意すべきは、湧子も香子も男性とも関係すること。もともとバイセクシュアルを公言している香子は家庭教師先の少年相手にも立派にタチを努めていますし(第4話/これはこれでエロい)、湧子は湧子でわりと場当たり的に行きずりの男性と2度ほど寝ています(第4話・第6話)。ていうか、そもそもシリーズ第1話ではまだ香子が登場せず、「湧子が男性相手のエロ妄想を繰り広げながら自慰をする」という内容だったりするんですよね。というわけで、少しでも男が登場する話が地雷な方は要注意。個人的には、「これだけ女のコ同士のイチャイチャがエロ可愛ければもう何でも可!」ってことで全然気になりませんでしたけど。

その他の収録作について

「KASOKA TAISAKU」「青春の悶」「とっときたいの」等の男女エロ短編も収録されてるんですが、非常に面白いのは、どの作品にもエロ漫画というよりむしろ青年誌っぽい独特の味わいがあること。面白い作風の描き手さんだなあ。

まとめ

男性との絡みも少し出てきますが、全体的にはエロくて可愛い♀♀漫画と言えると思います。みょーな偏見もないし、何より女のコの表情がとても良く、おすすめです。