石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『楽園天国 LOVE×100』(きみおたまこ、フランス書院)感想

楽園天国 LOVE×100 (Xコミックス)楽園天国 LOVE×100 (Xコミックス)
きみお たまこ

フランス書院 1995-10
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初期作品だけあってか(?)レズビアンエロスは少なめ。

18禁エロ漫画。「大人の動物園シリーズ」の初期作品が収録されている、きみおたまこさんの初単行本です。後発の単行本と違い、レズビアン要素はわりあい少なめ。完全にガチなお話は読み切り「保健室に要注意!!」だけで、あとは「男女ものの中にたまに女性同士の絡み(または、ふたなり)が登場する」といった感じです。意外にも「大人の〜」シリーズもヘテロセックス中心で、早夜&あやなの関係もあっさり目です。

「保健室に要注意!!」について

女子校に赴任した養護教諭(♀)が保健室で生徒とセックスするお話。明るくコミカルなレズビアンエロ、といったスタンスの作品です。全体の3分の2ぐらいが女性同士のHシーンで占められていますが、要するにこれは

「先生がうちの学校にズーレ菌ばらまいたのね」
「やん 人を病原菌みたいに……」

という(p. 38)お話ですので、シリアスな恋愛関係を見たい方には向きません。あと、電動器具が登場するので、そのへんも好き嫌いが分かれるかも。

「すてきにアブノーマル♥」(大人の動物園シリーズ)について

シリーズ中であやかや桜と絡みまくる、早夜(さや)が主人公のお話。意外にも今回はイメクラでの男女セックス(ナースプレイ)シーンがページの大半を占めていて、あやかとの絡みはなんと最終ページの最終コマにちょっとしたオチとして登場するのみです。察するに、このシリーズはもともとレズビアンものにする予定はなかったのが、お話が進むにつれてどんどん女女エロの比重が大きくなった、ということなのでしょうね。というわけで、濃厚なレズビアンものが読みたい方には今回のお話は物足りないかと。ただし、『楽園天国 LOVE×100』(本作)→『夜に降りる天使』『千夜伝説』『眠りつづけるお姫様』と続く一連のストーリーを追うには、やはり読んでおいた方がいい作品だと思います。これを読んでおかないとよくわからない設定&人間関係もいくつかありますので。

まとめ

同作者さんの他の単行本と比べると、かなりヘテロもの寄りです。ただし、これを読んでおいた方が、後々「大人の動物園」シリーズの設定や人間関係を把握しやすいと思います。ていうかあたし自身、間違って解釈していた部分があったので、ついさっき後発作品のレビューを何箇所か書き直したところです。「シリーズものはちゃんと時系列で読め」という教訓ですな。