石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『シュガーはお年頃(2)』(二宮ひかる、少年画報社)感想

シュガーはお年頃 2 (ヤングキングコミックス)

シュガーはお年頃 2 (ヤングキングコミックス)

百合色大幅アップ。深まる絆。そして、意味深な男性キャラ登場。

マイペース少女「畑中恵子」と、謎の多いクール美少女「浅見椿」との絆を描く学園青春もの、第2巻。1巻を読んだ時点ではもう少し友情寄りのお話になっていくのかと思ってましたが、この2巻ではかなり百合方面を向いた熱い展開になっています。特に第11〜12話あたり、ふたりの惹かれあう気持ちが呼応して行くところがたまらんです。ただですね。意味深な男性キャラの出現で、ラストがそれはそれは強烈な蛇の生殺し状態なんですよ。悶絶のあまり転げ回りすぎて、畳の目が擦り切れそうです。早く3巻を出してくれー!

深まりゆく絆

1巻では、生育環境も性格もちがうふたりが、日常の閉塞感を共有することで親密になっていく姿が描かれていたと思います。2巻ではそこからもう一歩進めて、ふたりが互いの存在によって、というか「大好き」で「特別」な人の存在によって大きく救われるところまでが描かれています。これはもうただのバディものではなくて、百合です百合。どう見ても百合。

名場面も多数

何度も読み返したい名場面がたくさんありました。恵子が椿の剥き出しの肩を見てドキドキしてしまうところとか。椿がにわか雨の中走りながら、心中ひそかに「あんたが好きよハタナカ……」と呟くところとか。恵子の部屋や図書室でのふたりの会話もほんとうによく練られていて、読むたび心臓をわしづかみにされてしまいます。1巻のレビューであたしは「恵子が椿を包み込んで愛してあげるお話になっていくといいな」と書きましたが、フタを開けてみたら、実は恵子が椿を愛するだけじゃなく、恵子自身もまた椿からの愛で救われていくというお話だったんでした。これはほんと、嬉しい誤算でした。

意味深な男性キャラ出現、そして衝撃のラスト

新キャラの教育実習生「日比野」(♂)の登場と同時に、物語に不穏な気配が立ち込めます。あえて日比野と椿の間に過去何があったのかを明らかにせず、恵子の妄想だけを突っ走らせていくという手法にドキドキジリジリさせられました。おまけに、このキャラをきっかけとする衝撃的なラストがすごすぎます。「上げてから、落とす」というまるでジェットコースターのようなサプライズに、読み終わって一晩たった今でも「あああああどうなるんだこの後ー!!」と絶叫してしまいそう。謹んで「2008年続きが気になって悶え苦しむ漫画ベスト1賞」を差し上げたいですホントに。

まとめ

愛も絆もぐんぐん深まる中、強烈なラストで読者を悶絶させてみせるストーリーテリングの巧みさにメロメロです。単なる薄っぺらい惚れた腫れた「だけ」には決して終わらない、すんごい熱と力を持った青春百合漫画だと思います。おすすめ。