石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『正義研究会セレナード(3)』(よこやまなおき、キルタイムコミュニケーション)感想

正義研究会セレナード 3 (ヴァルキリーコミックス)

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消化不良感ただよう最終巻

変身ヒロイン百合コメディ、最終巻。「え……これで終わり……?」としか思えない消化不良な幕引きに唖然。セレナの女好きっぷりや蒼也のヘタレっぷりこそ相変わらずの楽しさなのですが、漫画としては見事に失速&キリモミ墜落して終わってしまったかと。簡単にまとめると、

  1. いろんな要素を詰め込みすぎた
  2. その割に戦闘シーンが単調(もっと言えば退屈)すぎた
  3. 新キャラも今いち不発

……などの要素が重なって打ち切り(?)となり、広げた風呂敷をたたみ切れなかった、といったところでしょうか。

セレナと蒼也はよかったです

まずセレナの相変わらずの女好きっぷりがとてもよかったです。戦闘中のキスシーンで、あえてそのキスの瞬間を見せずにおくという演出も心憎かった。また蒼也も最後まで徹頭徹尾美女たちにないがしろにされまくるマゾい役回りで、面白かったです。

いろんな要素を詰め込みすぎ

思えば2巻で登場した魔砲少女ディスティハートからして、ちょっと詰め込み過ぎの感はあったんですよね。魔砲少女兼ジャスティ・ホワイトって、そこ兼任させる意味あるんですか、みたいな。3巻では、かのVS魔剣ネイルの戦いに途中で魔砲少女が絡み、しかもジャスティ・ホワイトに変身するのしないのでごたごたし、その上変身の謎がどうのセレナの新スーツがどうのとお話がとっちらかっていくので、どこに主眼を置いて読めばいいのかよくわかりませんでした。ストーリーにサブプロットをあれこれ詰め込みすぎて、メインプロットが弱くなってしまっている気がします。

戦闘シーンが単調すぎ

主に第11〜13話のことですが、戦闘シーンがまるで『リングにかけろ』みたいになってしまっています。すなわち、「大ゴマでもっともらしい技名を絶叫するとなぜか敵が吹っ飛ぶ」パターンの繰り返し。『リングにかけろ』自体はパイオニアだからいいとして、この平成の世に何のひねりもなくそれをなぞらんでも。1〜2巻ではセレナの鉄拳バトルなんかがいい味出してたのに、なんで3巻はこうなってしまったのでしょうか。

新キャラも今いち不発

かのVS魔剣ネイル戦が終わった後、新たな展開の牽引役として「宇宙刑事ソラデカ」なる新キャラが登場します。が、残念ながら「腰を振りながら股間のキャノン砲を撃つ」というお下劣技以外には特に目立った特徴がないんですよこの人。本来ならこのキャラが呼び水となって「侵略者編」が始まる予定だったのではないかと思いますが、この流れで多くの読者に「先が読みたい」と思わせるのはちょっと難しかったのではないかと。実際、物語は宇宙刑事登場の次の回で唐突に終わってしまっていますし、なんかいろいろともったいない気がします。

まとめ

1〜2巻が良かっただけに、たいへん残念な感が残る最終巻でした。もう少しお話の枝葉を削いでメインプロットを盛り上げてくれればよかったのに。