石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『おんなのこ ふたたび』(かがみふみを、宙出版)感想

おんなのこ ふたたび (Heart Comics)おんなのこ ふたたび (Heart Comics)
かがみ ふみを

宙出版 2008-05-22
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貧乳ロリラブラブ和姦18禁本(1編だけ♀♀物あり)

『えんまちゃん』のかがみふみをさんによる18禁エロ漫画。平和出版から2001年に出された成年コミック『おんなのこ』に、単行本未収録作品2本+描き下ろし1本を加えた復刻版です。全体を貫くトーンは「貧乳ロリラブラブ和姦」で、時々放尿やライトなアナル要素が入る、といったもの。ロリ少女たちの可愛らしさや丁寧な心情描写、そしてエロ漫画なのに挿入至上主義に走らない優しい作風が最大の魅力です。ただし、唯一のレズビアン作品「手に入らない愛ならば」には無理やりなセックスの場面(夢オチですが)が登場するため、ここで好みが分かれるかもしれません。

基本はラブラブ和姦です

『おんなのこ ふたたび』では、男女エロはほぼすべて、カップル間の合意のもとの行為として描かれます。初々しい初Hだったり、偶然再会した元同級生とのなりゆきセックスだったりとシチュエーションはいろいろですが、常に共通しているのはラブラブ和姦であること。さらに、セックスそのものだけでなく、その前後の会話やシチュエーションを使ってキャラクタたちの心情を丁寧に描写していくところがよかったです。また、とにかくロリ少女たちの可愛らしい表情が大切に描かれているので、「こんな可愛い子が俺のためにこんなことを!」的なラブHシチュエーションに萌える方におすすめ。

挿入至上主義は無し

成年コミックでありながら必ずしも挿入至上主義に走らないところが面白いです。たとえば、単行本未収録作品のラブコメ「チョコレート」「マシマロ」(連作)は計20ページの中に挿入シーンはゼロ、そのくせ放尿シチュエーションが6回も登場するという極端なフェチ系漫画。堂々と「放尿>挿入」路線を貫くヘンタイ度の高さに、惜しみない拍手を送りたいと思います。また、男女エロにも女女エロにも登場するアナル要素が全部「指と舌」系で、男性器や器具などを無理やり挿入したりは絶対しないところも特徴的。鬼畜・凌辱好きな方にはまったく向きませんが、優しめのエロがお好きな方にはすごくいいんじゃないかと思います。

百合/レズビアン作品「手に入らない愛ならば」について

これは、彼氏持ちの友達「ユキちゃん」(♀)に片想いをしている「スミちゃん」(♀)が、酔った勢いで思い余ってユキちゃんを犯してしまうというお話。男女エロはすべてラブラブ路線なのに、どうして女女ものだけ「いやよいやよも好きのうち」型のレイプになってしまうのか、やや納得いかない感じでした。いや、男女ものでも、たとえば収録作「echo」では男性の性衝動の暴力性が描かれたりしているんですが、こちらは最後に女のコの愛によって赦されるというオチがきちんと用意されているんですね。ところが「手に入らない〜」は、セックスそのものが結局夢だったという展開なので、スミちゃんのレイプに対する価値判断は宙ぶらりんのまま。これはちょっと、読んでいて落ち着かないものがあります。いや、レイプも夢オチも、片想い話にエロシーンを入れるための方便と言えばそれまでなんですけど。

ちなみに行為自体の描写は繊細でエロティックです。変な器具とかも出てこないし、女のコたちの肢体も綺麗でした。

まとめ

基本的にはラブラブ和姦本であり、18禁ながらとても優しい内容の漫画だと思います。心情描写やロリ少女たちの可愛らしさにウエイトを置く構成も、とてもよかったです。それだけに、唯一の♀♀話「手に入らない愛ならば」で、ありがちな「いやよいやよも好きのうち」型のレイプシーンが登場することにちょっとだけ納得いかないものが。繊細な女女エロ描写そのものはとてもよかったので、できれば同作者さんによるラブラブな百合/レズビアンエロ作品を一度読んでみたいです。