石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『繚蘭学園革命記 百花繚乱っ!』(えむあ、コアマガジン)感想

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えむあ

コアマガジン 2007-09-28
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女性同士の絡みは多いのに、全然百合/レズビアンものに見えないエロ漫画

18禁エロ漫画。女性同士の絡みこそ多いのですが、ぜんぜん百合/レズビアンものに見えませんでした。理由は、「のっけから同性愛を全否定している」「『棒と穴』思想及び巨根崇拝が強すぎる」「そもそも女のコ同士の愛情が希薄」の3点。この漫画に描かれているのは同性「愛」ではまったくなく、単なる「ヘテヘテな発想に基づく同性間セックス」に過ぎないと思います。

のっけから同性愛を全否定

第1話から主人公「遼子」のモノローグに

(引用者注:遼子たちの通う学校には)同性同士の恋愛を許容する慣習がある
これは絶対におかしい!

なんて台詞(p. 9)があるところにがっくり。そもそも、「許容」という言葉からしておかしいです。同性愛っていちいち異性愛者にお許しをいただかなきゃならん存在なんですか。何その上から目線。さらに、女性同士のセックスがこれでもかとばかり登場する作品で、最初から同性愛に「おかしい」とレッテルを貼ってみせるところも失笑ものですね。これって要するに、「異文化を見下しつつ、その文化を性的な搾取の対象とみなす」という一種のオリエンタリズムの発露にすぎません。レズビアンが登場するエロ創作には掃いて捨てるほどよくあるパターンですが、うんざりです、こういうの。

「棒と穴」思想及び巨根崇拝が強すぎる

「こんなん非処女じゃなければ絶対無理」みたいなディルドとハーネスが乱舞しまくりです。最初から最後まで「セックスとはとにかく棒と穴の結合であり、デカければデカいほど女は喜ぶ」みたいなヘテロ男性(しかもセックス下手な)にありがちな妄想が横溢しているため、女性キャラたちがまるで「女の皮をまとったノンケ男子(くどいけどセックス下手な)」にしか見えませんでした。舞台だけは女子校なのにねー。

女のコ同士の愛情が希薄

これが一番のネック。最初は一応カップルとして登場した「遼子」と「清美」が、途中から男性キャラ「雅之」に夢中になり、単なる雅之主体のハーレム漫画に様変わりしちゃうんですよ。しかもその雅之というのが、お道具がでかい以外に何のとりえもない薄っぺらなキャラクタで、こんなところにも如実に巨根崇拝色が表れています。

まとめ

百合/レズビアン漫画としてはまったくおすすめできません。「棒と穴思想の信奉者でしかも巨根フェチ、同性愛を見下しているけど女性同士のエロティシズムだけは掠め取って楽しみたい」という人向けの作品だと思います。