石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『いちごチャンネル(2〜3)』(浅井裕、シュベール出版)感想

いちごチャンネル 2 (2) (シュベールコミックス)いちごチャンネル 2 (2) (シュベールコミックス)
浅井 裕

シュベール出版 1995-08
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ハッピーエンディングで終わるキュートな百合/レズビアンラブコメ

18禁ラブコメ『いちごチャンネル(1)』の続き。面白かったです! 豊富な百合Hシーンを盛り込みつつ、「桃実と梨花がいちごを取り合うゆるやかな三角関係」という軸がまったくブレないところがいいし、読者をハラハラさせながらもきっちり百合エンドに到達する構成もよかったです。男女エロやいちごの処女性の扱いも面白く、ある意味、これは「陰惨さのない『チョコレート・メランコリー』」と呼べるお話なのではないかと思います。ハッピーエンディングで終わるキュートな百合/レズビアンラブコメをお探しの方におすすめ。

ゆるやかな三角関係

少女漫画家「栗子」やえっちな人妻「理佐」など新キャラも複数加わって、相変わらずいちご総受けの女女エロシーンが多数展開されます。それでいて、お話の主軸が「桃実・梨花・いちごのゆるやかな三角関係(いちごは無自覚ですが)」から少しもブレていかないところが良かったです。ストーリーがやや迷走気味だった1巻と比べると、読みやすさが格段に増していると思います。ちなみにHシーンについては、「指と舌」主体で放尿シーン多めです。ご参考まで。

ハラハラさせつつラブラブエンドへ

いちごは相変わらず基本的に男好き(桃実談)であり、2巻では「佐藤くん」に、そして3巻では「慎吾くん」に夢中です。それを応援する桃実のけなげさがまた泣けるのですが、それはさておき、3巻ではもうホントに慎吾とくっつく直前まで行くんですよこの話。しかもその少し前に、いちご・桃実・梨花の3P(いちごは酔ってて記憶なし)を目撃した慎吾が

絶対、ボクがいちごさんを悪の道から救ってみせるぞ

なんて決意する場面(p. 170)もあり、「まさか、ここまで来て最後に『結局正義の異性愛が悪の同性愛に勝ちました、めでたしめでたし』パターンじゃなかろうな」とハラハラさせられます。だからこそ、それを乗り越えてのラブラブハッピーエンド(もちろん女同士の!)が余計に輝いていて、よかったです。詳しいことは伏せますが、「同性愛のエロティシズム表現を積極的に消費しつつ、同性愛そのものは貶める」みたいな失礼な作品とは百万光年ぐらい離れたところにあるナイスな結末だと思います。

ある意味チョコメラな話

いちごの処女性の扱い方が非常にユニークでした。島本晴海氏の傑作レズビアンエロ漫画『チョコレート・メランコリー』のチョコと同じ、と言えば、わかる人にはわかると思います。また、桃実の立場もよく考えたらチョコメラの「めぐむ」と共通するものがありますよね。その一方で、チョコメラとは違ってシビアな凌辱シークエンスはひとつも出てこないので、一言で言うとこれは「陰惨さのないチョコレート・メランコリー」だなあと思いました。どちらもとても面白い作品なので、読み比べてみるのもまた一興かと。

まとめ

1巻よりさらに安定したストーリーがいいし、レズビアニズムを力強く肯定するラブラブエンディングもよかったです。男女エロも登場しますがあくまで「脇」の扱いですし、陰惨なレイプシーン等は皆無なので、女のコ同士の明るくハッピーなエロコメがお好きな方に向いている作品だと思います。ある意味、レズビアン漫画の名作『チョコレート・メランコリー』に通じる面白さがあるので、チョコメラ好きな方にもおすすめ。