石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『さんぶんのいち。(2)』(松沢まり、芳文社)感想

さんぶんのいち。 2 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)

さんぶんのいち。 2 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)

なんか違う方向に来ちゃったなー……

1巻では、葵(♀)と楓(♂)が柚(♀)を取り合うという、「百合あり男女恋愛ありの三角関係」状態だったこの作品ですが、なんかあっさりヘテロ路線オンリーの話に切り替わってしまっています。いや、あの人からあの人への想いについては1巻のチューで既に暗示されてはいたんですが、2巻ではそれに加えて柚と●(伏せます)をくっつけようという方向性があからさまなんですよね。おまけに、百合恋愛についても結局「思春期ゆえの逃避でした」あるいは「疑似恋愛でした」で片をつけられそうな気配が濃厚。こうなるとは思わなかったなー。

女のコ同士のキスシーンなんかも一応あるんですが、そこでの柚の台詞にはがっくり。これではどうしたって恋愛には発展しそうもありません。葵の方はまだ柚への想いにこだわっているみたいですが、彼女の過去のトラウマが結局「あのキャラに悪気はありませんでした、誤解でした」ってことであっさり片付けられそうな雰囲気まんまんなところがひっかかります。ひょっとしたらこれは、次の巻あたりでトラウマ解消して「よかったよかった」「これでもう柚にこだわらなくていいよねー」と元気一杯男女恋愛に突入していくフラグでは? (違ってたら嬉しいんですが)

というわけで、百合方面に関しては「終わった」感のある1冊でした。たぶん、柚と●、葵と▲(これも伏せときます)のヘテロカップル2組を成立させて予定調和的に終わるんじゃないですかねこの漫画。この展開は読み切れなかったわー。不覚だわー。せめて今後、「コドモだった葵も『成長して』、『正しい』異性愛に帰着しました☆」みたいな妙な異性愛規範アピールがなされないことを祈っています。