石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『アリスのお茶会』(大川マキナ、スクウェア・エニックス)感想

アリスのお茶会 (ガンガンWINGコミックス)

アリスのお茶会 (ガンガンWINGコミックス)

茶道部が舞台のほんわか微百合4コマ

リキュウこと千利休に憧れて高校茶道部に入部した留学生「アリス」が主人公のギャグ4コマ。萌え4コマ風の絵柄ですが、実はかなりしっかりした茶道入門漫画でもあり、とても楽しく読めました。ガチ恋愛系のお話ではまったくないものの、仲良し感あふれる微百合部分もよかったです。ちなみに本編よりも連載前に描かれた読み切り全4話(巻末に収録)の方が、百合っぽさは濃厚だと思います。

茶道部分が面白い

茶道がお話の単なるアクセサリーではなく、大切なテーマのひとつとして扱われているところが面白かったです。トリビアに走るでも精神論をぶち上げるでもなく、門外漢でも思わず茶道をやってみたくなるような「茶道の良さ/楽しさ」をわかりやすく伝えてくれる作品だと思います。お作法の説明などのともすれば固くなりがちな話題を、アリスのリキュウ萌えがうまく和らげているところもいいなと思いました。

いちゃいちゃ仲良し微百合展開

「天然ボケのアリスが、部長とプッチー(先輩)にほのぼのとかわいがられる」という基本路線が可愛らしくてよかったです。恋愛要素こそ薄いものの、ハグとか洗髪とか同じ布団で一緒に寝るとかの仲良し展開が多く、読んでいて心がなごみます。ちなみに上の方でも書きましたが、巻末に収録されている「とくべつよみきり(全4話)」の方が女のコ同士の密着度が高く、微エロなコマもあったりして、百合目当てなら本編よりこちらの方がおすすめです。

まとめ

肩の力が抜けたほっこり微百合4コマ。読み終わるとすっかりリラックスして、おまけに抹茶と和菓子が妙に恋しくなっていることうけあい。燃え上がるガチ恋愛系の百合話をお探しの方には向きませんが、まったりとなごめるライトな百合ものがお好きな方にはおすすめです。