石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『クイーンズブレイド -Hide&Seek- (4)』(南崎いく、角川書店)感想

クイーンズブレイド -Hide&Seek- (4) (角川コミックス・エース 201-4)

クイーンズブレイド -Hide&Seek- (4) (角川コミックス・エース 201-4)

エリナとクローデットの内面が掘り下げられる巻

ビキニアーマーの女戦士たちが戦いまくるアクションファンタジーの第4巻。いよいよ女王の座をかけた戦いが開幕し、物語の緊迫感がぐんと増しています。エリナとクローデットの孤独をより掘り下げることで、ヴァンス3姉妹のしがらみがくっきりと描き出されており、面白かったです。ただの姉萌え・妹萌えのテンプレ百合話ではなくて、もう少し深くて痛いところを突いてくる人間ドラマになっていると思います。絵づら的にあざとい場面もないではないのですが、だいたいは「単なるサービスカット」と受け止めておける範疇かと。あとエキドナさんがあいかわらずいい味出してました。戦闘シーンや女王アルドラの凄味もよかった。

ヴァンス3姉妹について

もう完全に、「お姉ちゃん萌えのエリナによる姉妹百合」なんかじゃなくなってますねこの物語は。戦いの中でエリナの凄絶な孤独やクローデットの深い葛藤が次々と明らかにされ、今後の濃厚な愛憎劇を予感させます。3姉妹の関係の鍵となるレイナが今後どう動くのか、見逃せません。

百合方面について

「戦闘中に相手の耳を舐める」とか、「怪我をしたキャラの身体に妙にねちっこく薬を塗る」などのいかにもな微エロシーンこそありますが、これぐらいならお約束の範疇かと。物語中のそこここで女性から女性への熱情が肯定的に描かれているため、「レズビアン表象のうわべのエロティシズムだけを横取り」みたいなあざとさは今回特に感じられませんでした。

あと、3巻に引き続きエキドナさんがいいですよ。相変わらず女性大好きの女性キャラでありながら、クセは強いのに憎めない、味わい深い役どころをつとめています。

凄味について

まずエリナの戦闘場面の迫力がよかったです。剣戟だけで終わるのかと思いきや意外なラフファイトもあったりするし、精神面でのエグさもよいスパイスとなっていました。あと、女王アルドラの化け物じみた怖さも印象的。何者なんですかあの人。

まとめ

3巻に引き続き同性愛嫌悪色がなく、楽しく読めました。これならクイーンズブレイド(闘技大会の)の行く末も安心して見守れそうです。ヴァンス3姉妹のドロドロ愛憎劇もいい感じでテンションを増してきたし、エキドナも(例によってヘンタイだけど)魅力的だしで、1〜2巻でくじけずに読み続けてよかったと思います。