石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『ゆるゆり(2)』(なもり、一迅社)感想

ゆるゆり 2 (IDコミックス 百合姫コミックス)

ゆるゆり 2 (IDコミックス 百合姫コミックス)

雰囲気はゆるやか、でも笑いは極上

すっとぼけたギャグが冴え渡る百合コメディ第2巻。今回も独特の間の取り方が楽しすぎます。その気になればふつーに18禁エロ漫画でもいけそうなエロさ、いや淫靡さをかもし出せる画力で、敢えて脱力系のギャグをぶちかまし続けるという思い切りのよさが好き。ちなみに百合方面についても、妄想あり片想いありほんのり友情百合ありで、楽しく読めました。

ギャグについて

相変わらず「淡々としているのにどうしようもなくおかしい」という独自路線が素敵です。たとえば帯裏に印刷されている懐中電灯ネタを見るだけで、このとぼけたおかしみは一目瞭然。あと「伝説の剣」のデザインとかね、あたしゃもう向こう1週間はこのネタだけで思い出し笑いをし続けると確信しましたね。

他に非常に面白かったのが、「主人公」や「百合漫画」のお約束設定をメタ視して遊んでみせるところ。特に後者は、アッタマ悪そうな百合告白シチュエーションを軽やかに茶化しているところがよかった。いわば百合漫画による「百合」のセルフパロディーなんですが、妙な嫌味がなくて、ひたすらおかしいんですよ。

画力について

フルカラー記念のサービスカット(p. 69)がすごかったです。18禁エロ漫画やエロゲでも十分いけそうな、可愛らしくもエロティックな絵なんですよ。うまいなー。でも、『ゆるゆり』がすごいのは、その卓越した画力をもってして大真面目に笑いを取りに行き続けること。前述のエロ絵にしても、きちんと一種のギャグとして機能しており、むしろそういう定番的な(わざとそういった構図が選ばれています)カットのあざとさを笑う姿勢があるんですよね。なんて贅沢なギャグ漫画だ、と思いました。

百合方面について

今回は相思相愛の組み合わせはあまり出てこないのですが、

  • 綾乃→京子
  • 京子→ちなつ
  • ちなつ→結衣

の三者三様の片想いが楽しかったです。萌えだけでもガチ恋愛だけでもない幅の広さが味わい深い感じ。あ、でも、気持ちの面でもっともぐっときたのはむしろ上記以外の組み合わせなんですが、ここでは伏せておきます。わかりやすい好き好きアピールより、意外な方向からの変化球の方が効くもんだと感心することしきりでした。

ちなみに絵づらの面では相変わらず千歳の百合妄想が輝きまくっていますが、それと別口で描かれる現実でのキスシーンやひざまくらなども、どれもみな色っぽくてよかったです。

まとめ

絵もよし笑いもよし百合百合しさもよしで、非常に楽しく読める4コマでした。この作品の持つ独特の色気とギャグセンスには、中毒性があると思います。すでに3巻が待ちきれません。