石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『とある科学の超電磁砲(4)』(冬川基[画]/鎌池和馬[原作]、アスキー・メディアワークス)感想

とある科学の超電磁砲 4―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)

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スリリングな新章、百合っぽさもマル

学園都市での超能力バトルを描く近未来SFアクションの第4巻。物語はいわば新章に突入。1巻からの大きな伏線がいよいよ回収され始め、スリリングな展開となっています。この作品らしいユーモアを入念に散りばめつつ、ここ一番では思い切って残酷な場面を叩きつけ、強烈な山場から次巻にバトンをつなぐという一連の流れにしびれました。百合っぽさは今回かなり変則的な方向から来ているのですが、こちらもとてもよかった。

あの伏線がいよいよ回収

「あの伏線」というのは、1巻で主人公・御坂美琴が、そして3巻で木山春生がちらりと口にしていた例のアレです。相当エグい研究のはずなのに、新キャラのコミカルな性格のおかげで意外にもエグさが少ない……と思ったらやっぱり背筋も凍るシークエンスがきっちりと用意されているというジェットコースター展開で、終始ドキドキさせられっぱなしでした。

「背筋も凍る」の部分に関しては、物理的な凄惨さに加えて、いわゆる「不気味の谷」にさしかかってみせたりまた離れてみせたりという演出が非常に高い効果を上げていたと思います。「面白いんだけどどこか不気味」という基調を保ちつつ、忘れたころに残酷な想像力を一気に爆発させてみせるというメリハリのつけ方がすばらしかったです。3巻までもとんでもなく面白い漫画でしたが、この4巻の面白さはまた格別という気がします。

百合方面について

序盤ではせいぜい黒子が美琴のベッドにもぐり込んでいるぐらいで、さしたる見せ場はなかったため、「今回は百合展開は無しなんだろうか」と思ったんですよ一瞬。ええ、明らかにわたくしが間違っておりました。この巻の特に後半は、「姉妹百合」や「お姉さま」の概念の新しい地平を切り開く逸品。何度読み返しても目から変な汁が出そうになるページがあります。そんなわけで、百合漫画としても一級品です。

まとめ

ダークな部分も百合っぽい部分も、すさまじく面白かったです。おそらく1〜3巻で描かれた「幻想御手(レベルアッパー)」の物語は序章であって、ここからが本編「御坂美琴の物語」(と勝手に命名)になるのではないかと。5巻もとても楽しみです。