石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『いいなり!! 吸血姫(3)』(草壁レイ、メディアファクトリー)感想

いいなり!!吸血姫3 (MFコミックス アライブシリーズ)

いいなり!!吸血姫3 (MFコミックス アライブシリーズ)

退魔師と吸血鬼のソフト百合、これにて完結

駆け出し退魔師にして「至高の血」を持つ女子高生・依紀(いのり)と、依紀の血を狙う吸血鬼ルクレティアのソフトな百合コメディ。この3巻が最終巻となります。ストーリーはやや駆け足ぎみですが、タイトルの意味が明かされる最終話も、おまけ漫画「吸血姫のためのパヴァーヌ」もキュートな百合百合しさにあふれており、楽しく読みました。依紀に執着する妄想娘・ゆいの扱いも面白かった。

ちょっと駆け足気味です

依紀が退魔師になるための計3つの関門が、最後のひとつ以外はかなりあっさりしています。特に、第2の関門が実質たったの1ページで片付けられてしまうところに拍子抜けしました。また、せっかく取った退魔師資格がストーリー上でほとんど生きてこないところももったいない感じ。あと1冊ぐらい使ってもう少しお話をふくらませてくれたら、もっとよかったのでは。

でも、百合部分はよかった

相変わらず基本的に友情路線ではありますが、依紀とルクレツィアの関係の描き方が非常によかったです。ふたりとも相手を信頼し、大切に思っていることがしっかり伝わってくるし、ここぞという場面での表情の色っぽさもすばらしいと思いました。中でも最終話やおまけ漫画「吸血姫のためのパヴァーヌ」での掛け合いは必見です。そのへんの下手なラブコメ百合なんかよりよっぽどラブいですよ、このふたり。ちなみにカバー下の表紙がカバー絵よりさらに百合百合しいところもナイス。

ゆいについて

ゆいはルクレツィアよりもやや恋愛寄りで依紀のことを追いかけているキャラクタ。今回もギャグ担当として大活躍ですが、炸裂する妄想ネタに変な嫌味やあざとさがないところにほっとしました。ルクレツィアの描き方なんかもそうですが、吸血鬼ものでありながら、「女のコが好きな女のコ=女のコを性的につけ狙う(そしていずれ成敗される)エロエロモンスター」みたいな安直なキャラ付けがまったくないんですよ。

まとめ

キュートで色っぽいバディものとして楽しく読める最終巻でした。できればあと1冊ぐらい使ってもう少しゆっくりお話を畳んでほしかったところですが、結末がとてもよかったのでこの際ノーカウント。妙なホモフォビアも出てきませんし、女のコ同士の友情以上恋愛未満な関係がツボの方におすすめです。