石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

「Comicリリィ Vol.3」(ライスリバー)感想

COMICリリィ v.3 (RICE RIVER COMICS)

COMICリリィ v.3 (RICE RIVER COMICS)

見るべきものはほとんど無し。Vol.4からは買いません

ライスリバーが2009年11月に創刊した百合アンソロの第3巻です。Vol.1からずっと読んでいるのですが、今回も

  • ハンコ絵多数
  • バストアップばっかの作品多数
  • キャラの心情をひたすら台詞やモノローグで説明する作品多数

という傾向が少しも改善されておらず、とても商業作品とは思えない水準だと感じました。さらに、「ファーストキス」(杜講一郎×さくらあかみ)の、

いや……でも…さすがに女の子同士でキスってのは…ちょっと

大丈夫ダイジョウブ 女同士は大丈夫(ノーカン)*1だから

というやりとりにも、心の底からうんざり。ちなみにはてなキーワードによれば、ノーカンとはつまり、

ノーカウントの略 数に含まない/無かったことにするという意味

ですよ。女性同士の関係を禁忌ととらえるのも、「数に含まない/無かったことにする」ことができるぐらいどうでもいいものとして扱うのも、同じくらい失礼っすよ。結局このシークエンス(ちなみにキスシーンです)は、「男女の愛>女女の愛」という異性愛中心主義を、別方向から2度繰り返してアピールしているだけ。わざわざ百合漫画でそんなもん見たくないわ。

なお、このVol.3で唯一良かったのは、「愛しのカバー・ガール」(楽時たらひ)。ストーリーの流れはやや予定調和的ではありますが、表情がとてもいいし、最後まで微妙にひねくれている主人公の心理も面白かったです。

まとめ

相変わらず漫画としての質に疑問を覚える作品が多いし、異性愛主義も鬱陶しいしで、このへんがそろそろ限界かなあと。あたしがこの手のアンソロを購入する主目的は、「すぐれた百合作家さんをチェックするため」なのですが、残念ながら「comicリリィ」はその目的にはあまり合わないと判断しました。Vol.4以降はおそらく買わないと思います。

*1:原文では「ノーカン」は「大丈夫」のふりがなとしてふられています。