石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『AIKa ZERO』(アザミユウコ、ワニブックス)感想

AIKa ZERO (GUM COMICS)

AIKa ZERO (GUM COMICS)

  • 作者: スタジオファンタジア,バンダイビジュアル,アザミユウコ
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2010/03/25
  • メディア: コミック
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話も小粒、百合も今いち

お宝目当てでとある学園に潜入した主人公「皇愛華(すめらぎあいか)」が、学園内でひそかに行われていた犯罪をあばくという物語。今さら「ごきげんよう」が飛び交うお嬢様学校(ロザリオもあるよ)という設定も目をひかないし、謎解きも小粒だし、百合方面もちょっと首をひねってしまう感じ。OVAのコミカライズ版だそうなので、あくまで原作ファン向けの作品ととらえておいた方が無難かもしれません。

謎解き部分が今ひとつ

謎解きの部分がちょっと性急すぎるように思いました。主人公がむざむざと敵に捕まっている間に実質的な謎解きはほとんど他キャラがやってしまうという展開も解せません。愛華が「優れた頭脳と運動神経」を持っているとかいう設定はどこ行ったの?

百合描写も今ひとつ

女性同士の心中エピソードが妙に美化されているあたりで、頭の中に警戒警報が鳴り響きました。で、残念ながらこの警報は大当たりでした。『AIKa ZERO』では、主人公とその仲間たちはどこまでもストレートであり、女性に恋情を抱く女性は「異質な他者」としてしか描かれません。実際、この作品ではレズビアン的なキャラクタは、「憐憫の対象」か「善良な女性を堕落させるエロティックな悪魔」のどちらかとしてしか登場しません。一言で言って、古い。女性同士の関係に向けるまなざしが、ストーンウォール以前な感じ。

その他

絵柄は可愛らしいし、各回の間に挿入されるおまけカットもよかったです。

まとめ

全体的にインパクト不足な感じです。謎の究明も百合なあれこれも、なんだか食い足りない印象を受けました。絵柄がツボな方や原作ファンの方なら問題なく楽しめる1冊なのかもしれませんが、単品の百合漫画としてはあまりおすすめしません。