石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『える・えるシスター(4)』(邪武丸、一迅社)感想

える・えるシスター 4 (IDコミックス REXコミックス)

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百合というよりほのぼの家族もの漫画?

ノッポな少女「ふたば」と、そのストーカー気味の姉「一菜」が織りなす学園コメディの第4巻。もともとガチっぽさが希薄な作品ではありましたが、今回は百合コメディというより家族コメディとしての色彩がさらに強くなっている気がします。ちなみに脇キャラがらみで微百合な空気が漂うこともないわけではないのですが、どれもカップルととらえるには妄想補完が必要な感じ。今後は「百合漫画ではなくほのぼのギャグ漫画」と頭を切り替えて読んでいった方がいいのかしらと考えているところです。

かなり家族もの寄りな雰囲気

それが顕著なのは、小中居家の母が大活躍する第27話「だいすきなひと」。すごーく可愛くて、大バカ(誉め言葉)で、度を超したスキンシップ連発の回ですが、これを読んでしまうと『える・えるシスター』はいわゆるラブコメにはなって行かなそうだという予感がひしひしとします。一菜がどれだけエロエロしくふたばに執着してみせようと、家族愛の要素が強すぎて、ここから恋愛に持って行くのは難しいのではないかと。いや、小中居家の3人の濃厚な愛情のやりとり自体はとても楽しいし、漫画としてはじゅうぶん面白いんですけどね。

脇カップリングについて

洋と和泉、桂と羽生など、メインカップル以外でもなんだか百合っぽい関係があることはあります。さらに、ふたばが無意識にクラスメイトを籠絡したり、ヒメとぶつかりあいながら親睦を深めたり(?)という展開もありです。ただ、こちらもやはり、どれも恋愛色は皆無なんですよね。いわゆる「友情以上恋愛未満」こそが百合だとお考えの方にはストライクゾーンど真ん中かもしれませんが、あたしにはちょっと物足りない感じでした。

その他

絵が相変わらずよかったです。「思わず下から手を添えて持ち上げたくなるような釣り鐘型のおっぱい」を描かせたら天下一品ですな、この漫画家さんは。それでいて少しも下品なタッチにならないところが面白いし、全身像でなくてもふたばの身長がしっかり伝わってくるという画力の確かさもよかった。

まとめ

百合というより、あくまで家族もの/友愛ものととらえた方が正確な1冊だと思います。こうしてみると、1巻を読んだ時点で「百合方面にはたいして踏みこまずにブレーキをかける漫画なのでは」と思ったのは当たっていたようです。ただしコメディとしてはじゅうぶん楽しめますし、エロ可愛い絵柄も、ほっこりした読後感も楽しかったです。百合百合しいラブストーリーを求める方には不向きですが、まったり系のギャグ漫画をお探しの方にはおすすめできる内容だと思います。