石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『しまいずむ(1)』(吉富昭仁、芳文社)感想

しまいずむ (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

しまいずむ (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

変態姉たちの悶々たる日常(と、甘酸っぱい恋模様)

「遥」と「芳子」の女子中学生ふたりが互いの妹に萌え萌えムラムラする百合ラブコメ。人としてかなりダメな姉たちのヘンタイっぷりと、その陰に秘められた甘酸っぱい恋模様との二重構造がたまりません。少女たちのみずみずしいエロティシズムもよかったです。第1話のその後を掘り下げる描き下ろし作「ぼーなすとらっく ぞくおとまり」など、その典型かと。

姉たちの華麗なヘンタイっぷり

遥と芳子の、「おまえら男子中学生か!」とツッコミたくなるほどの悶々ぶりが最高です。興奮時の2人のうつろな瞳の描写など、少女性をベタに美化するだけの百合作品とは180度違っていて、楽しく読みました。2人で劣情をたぎらせているうちに、行動がどんどんとんでもない方向に突き進んで行くところも面白すぎます。もっともウケたのは第8話のハゲヅラ。百合漫画でここまでやるかと感動しました。

実は甘酸っぱいラブストーリーだったりも

遥と芳子が本当に好きなのは互いの妹ではなく、実は……という部分がすばらしかったです。「ヘンタイの陰に純情あり」というこの強烈なコントラストに拍手。伏線の処理は常にていねいだし、寸止め具合も絶妙でした。どんな場面にも必ず笑いを入れてくるというサービス精神もナイス。

エロティシズムについて

これだけ破壊力あるギャグ作品であるにもかかわらず、要所要所のエロティシズムがすさまじいです。ロリだわフェチだわ、キャラクタの恥じらいもたまらんわで、芳子じゃなくても「全身から鼻血が出そう」(p. 18)な勢い。もともと少女の肢体を描かせたら天下一品の作家さんではありますが、この作品でも遺憾なくその実力が発揮されていると思います。

特にすごかったのは「その6 ぺろぺろさせて」、「その7 もみもみさせて」、描き下ろし「ぼーなすとらっく ぞくおとまり」あたり。幼馴染み2人が大人の階段をふと上りかける瞬間の生々しいドキドキ感が、目に眩しかったです。

まとめ

少女たちの恋情とあえかな官能を破壊力満点のヘンタイギャグで包んだ意欲作だと思います。他の誰にも真似できない傑作であり怪作。コメディとしても恋愛物としてもすみずみまで工夫がこらされており、とても楽しく読みました。おすすめ。