石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

百合アンソロジー『つぼみ VOL.7』(芳文社)感想

つぼみ VOL.7 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

つぼみ VOL.7 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

付録がゴージャス。本編も充実

創刊から1年半、めでたく今号から隔月刊となった百合アンソロです。今回はなんといっても付録小冊子「婦女子的艶麗着色読本」(じょしてきんれいゃくしょくとくほん、略してふぇちほん)が最高。豪華執筆陣によるカラーイラスト集で、美しいわエロいわ笑えるわとたいへんなことになってます。本編の方もいつも通り手堅い面白さを誇っており、安心して読めました。

「婦女子的艶麗着色読本」について

付録のカラー小冊子「婦女子的艶麗着色読本」は、

それぞれの先生が考える「女の子・女性キャラのココガタマラン」という大好きポイントを、カラーイラストと手書き文字でしっかりたっぷり描いてもらっちゃいました。
なかなか普段は見る事ができない先生たちの「好きなもの」。
よりリアルに、贅沢に、ねっとり吟味していただければ幸いです。(ちょっぴりエッチだよ!)

という趣旨(裏表紙より)で編まれたフェチイラスト集。執筆陣は以下の7人(敬称略)です。

  • 吉富昭仁
  • 玄鉄絢
  • 宇河弘樹
  • 鳴子ハナハル
  • 黒星紅白
  • カトウハルアキ
  • 西E田

どれもすばらしかったんですが、特に印象に残ったものを挙げるならこのへんでしょうか。

吉富昭仁
無防備な生足のラインがもうたまらん感じ。まだ「女の人」になりきっていない少女の肢体を描かせたら日本一なんじゃないでしょうかこの人。
玄鉄絢
フェチポイントは「やっぱり生活感かなあ」ってことで、同棲女子カップルの朝から晩までを追ったイラストです。肌色多めなのに可愛くて、ほのぼのしました。ハダカで抱き合って眠る2人の姿とか、いいよね。
宇河弘樹
テーマは「涙」。絵もすばらしいんだけど、ストーリー性はもっとすごい!! 最後の2コマのアレとか、見ているこっちが泣けます。ぜひ漫画化してください。
鳴子ハナハル
「脇ブラチラ」「背中とスカート間の隙間」など、マニアックなのに「わかるわかる!」と力強くうなずかされてしまうフェチポイントがてんこもり。美しく微エロなイラストもよかったです。

その他よかった作品など

「しまいずむ」(吉富昭仁)

今回は「その11 アルバムをなめるな」「その12 りょうをもとめて」の2編が収録されています。微笑ましく、かついつも通りヘンタイ度の高い前者も、夏と少女と微エロの三題噺みたいな後者も共によかったです。
「りょうをもとめて」では、舞と桜のとあるシーンに度肝を抜かれました。下手なエロマンガよりエロいよあれは!! つか、お話が進むごとに、「芳子&舞」姉妹と「遥&桜」姉妹の性格の違いがどんどん浮き彫りになってきているところが面白いですね。夏らしい暑苦しさと、少女たちの無防備さもよかった。

「タンデムLOVER」(カサハラテツロー)

今回は海のお話。タンデマインに乗っちゃうならスク水着る必要ないじゃん、と一瞬でも考えたあたしがアホでした。スク水とメカという取り合わせの面白さもさることながら、カナヅチキャラ「カトさん」の表情と行動にも見とれまくってしまいました。

「星川銀座四丁目」(玄鉄絢)

あるある、こういうの。別に小学生とつきあってなくても絶対ある。このみずみずしくも心なごむ「女のコ同士の生活感」って、「婦女子的艶麗着色読本」のイラストにも通じるものがあると思います。

まとめ

隔月刊化記念ということもあってか、付録も本編も気合いのこもりまくった1冊でした。ていうか、付録小冊子だけでも価格のもとがとれちゃうぐらいクオリティ高いと思います。すごいな芳文社。VOL.8以降もとても楽しみです。