石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『しまいずむ(3)』(吉富昭仁、芳文社)感想

しまいずむ (3) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

しまいずむ (3) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

ガチカプ4組。フェチと愛にあふれた最終巻

「姉妹たちしかでてこない」(帯より)、おバカでキュートな傑作百合コメ、堂々の完結。相変わらず脱力系のギャグが冴えわたる一方で、気がつけばガチカプが4組もできているし、フェティシズムにあふれたエロ表現もたいへんなことになっています。

ガチカプの皆さまについて

特によかったのは芳子・遥ペアとサキ・ひろみペア。前者はいつものエロバカっぷりはもちろん、双方の記憶がパズルのピースのように噛み合って全体像が見えてくる部分にニヤニヤさせられました。「本当の気持ちに薄々気づきつつ、表面的には相変わらずシスコン変態でいる」という寸止めラブの愛らしさよ。後者は、なんと言ってもひろみの表情の変化につきます。あのあまりにもエクストリームな「ギャップ萌え」キャラっぷりは悶絶もの。セックスありの関係がきちんと描かれているところもナイス。

エロ表現について

この際言い切ってしまいます。局部アップが乱舞するどんな18禁百合漫画より、『しまいずむ』の方がエロいです。キャラたちの肢体や表情のかわいさ・美しさもさることながら、「その手があったか!」と度肝を抜かれるようなフェティシスティックな表現が本当にうまいんですよこの作品。もっともそれを感じたのは、第27話「とける」の氷の彫刻のくだりです。特にp. 113ね。アホだし変態だし直接的なセックス描写では全然ないにもかかわらず地獄のようにエロい、という奇跡のようなページだと思います。その延長線上にある、巻末描き下ろしのチョコシロップのエピソードもよかった。

まとめ

ラブさもバカさもエロティックさも、いつも通り極上の味わいでした。ちなみに後記によると「作者は2年後のしまいずむなんていうのも考えていた」とのことなので、いつかどこかでこの続きが見られたらうれしいです。