石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『ゆるゆり(9)』(なもり、一迅社)感想

ゆるゆり (9)巻 (百合姫コミックス)

ゆるゆり (9)巻 (百合姫コミックス)

おまけまんがが秀逸

巻末のおまけまんがに爆笑しました。2ページ×全5話の計10ページでこれだけ笑わせられるなら、いっそこの路線のスピンオフで1冊単行本を出してほしいぐらいです。本編については、今回は鼻血ネタに頼り切らずに百合妄想にオチをつけていたところが新しいかなと。笑いの要素は相変わらずよかったです。とくに馬。

おまけまんがについて

ミラクるんものの漫画なんですよ、これ。きゃるるん系の魔法少女ものと見せかけて実はなんだかブラックなミニストーリーが、全部で5話収録されています。キャラ設定ページでミラクるんが「ちょっぴり腹黒かも…?」と説明されているのを見た時点ではまさかここまで黒いとは思ってもみなかったため、意表を突かれたぶんだけ余計に笑わされてしまいました。たまに百合だと思わせておいて、やっぱり毒ある展開になり、それでもまだしぶとく百合だったりするという複層構造もよかった。

なお、このおまけ漫画の最大のポイントは、読んでいるうちに「こんな腹黒魔法少女にあそこまで入れ込む歳納京子の性格っていったい」という疑問がどでかく浮かび上がってくることですね。単品としてもじゅうぶん笑いを取れるのに、その笑いが回り回って本編のおもしろさをも深めるという、一粒で二度おいしいおまけまんがだと思います。

本編について

ちなつや綾乃のガチな恋情(または欲情)の空回りっぷりは相変わらず。一歩間違えればマンネリにもなりかねないところを、あかりや京子のかますすっとぼけたギャグが救っている感じ。そういう意味では、今回はあえて千鶴に鼻血を噴出させず、別のかたちで登場させているところがなかなかに思慮深いと思いました。

百合以外だと、p. 94のちなつの、

馬は結衣先輩が一番似合うんですから

という台詞を皮切りに繰り出される不条理な展開が好き。思わず腹筋がプルプルしてしまいました。馬を使ったギャグはp. 7にすでに一旦出てきているため、繰り返し効果もあってか一層ウケました。

まとめ

かわいくてアホで毒あるおまけまんがが大変よかったです。本編の方は、百合なドタバタ部分がマンネリになりそうでならないギリギリのラインで健闘している感じ。ギャグはいつも通りさっくり笑えました。