石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

いじめ被害少年に『マイリトルポニーのタトゥーで寄付 米タトゥー店が発表

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2014年2月、米国ノースカロライナ州の11歳少年がゲイだとしていじめられ、自死を図るという事件がありました。一命は取り留めたものの深刻な脳損傷の可能性が残り、少年はいまだ入院中です。コネティカット州のタトゥーショップが、彼の治療のためにユニークな寄付を申し出ました。

詳細は以下。

Tattoo Parlor Offers 'My Little Pony' Designs Benefiting Bullied 11-Year-Old Boy

この少年、マイケル・モローネス(Michael Morones)くんは、女の子向けとされるTV番組『マイリトルポニー』のファンだというだけの理由でゲイと呼ばれ、くり返しいじめられていたとのこと。そこで今回立ち上がったのが、コネティカット州のタトゥーショップ『ビューティー・マーク・タトゥー』。『マイリトルポニー』のタトゥーを40ドルでお客さんに提供し、売り上げをすべてマイケルくんの治療のために寄付すると申し出たのだそうです。

NY Daily Newsによれば、このようなキャンペーンを始めたのはこの店だけではなく、ルイジアナやテキサスでも同様の呼びかけをしているタトゥーショップがあるとのこと。実際、テキサス州のタトゥーショップ『インピアリアル・タトゥー』の試みを報道する映像を、YouTubeで見つけましたよ。


Local tattoo shops shows unique support for 11-year-old bully victim - YouTube

こうして見ると、『マイリトルポニー』ってけっこうマッチョ男性にも似合う図柄かも。なお、マイケルくんの治療費を募るファンドでは、現在約7万2千ドルものお金が集まっているようです。世の中、ひどいことも多いけど、いい人だっていっぱいいるんだよね。

差別やいじめに反対すると、「どうせ差別は/いじめはなくならないのに」と言って水を差そうとする人を、特にネットではよく見かけます。しかし、「なくならない」ということは、「だから何もしなくていい」ということではないはず。極端な話、自分が階段から転げ落ちて足の骨を粉砕骨折したとき、「どうせ転落事故はなくならない」とうそぶいてそのままそこに横たわっている人はめったにいないでしょう。病院にも行くし、後から必要に応じて階段に手すりや滑り止めを付けたりするよね。

悲惨な出来事をゼロにすることはできなくても、せめて当事者の苦痛を減らしたり、命を救ったり、起こる頻度を減らす工夫をしたりすることはできる。何もせずに「どうせ、どうせ」と言っているだけの人より、自分にできることで人助けをしようとするタトゥーショップ店主やお客さんたちの方が、あたしははるかに好きです。