石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米キリスト教系私立校、「服装が女らしくない」からと8歳女児を排除

3D Quilling Dolls
3D Quilling Dolls / Vybola

米国バージニア州のキリスト教系私立学校が、「服装がフェミニンでない」という理由で8歳の女児を排除し、批判されています。

詳細は以下。

Virginia Christian school asks 8-year-old girl to leave for not dressing feminine enough | Gay Star News


Tennessee Christian School Bans 8 Year Old Girl Because Tomboy Looks Not Biblical - Sunnie Kahle - YouTube

この児童、サニー・ケイル(Sunnie Kahle)さんは、Tシャツとジーンズが好きで、髪の毛はショートカットな女の子。男の子になりたいわけではなく、自分は女の子とわかっていると言っているそうです。祖父母のもとで暮らし、ティンバーレイク・クリスチャン・スクール(Timberlake Christian School、略称はTCS)という学校に通っていました。ところがある日TCSの校長からサニーさんの祖父母のもとに、サニーさんの外見は同校の「性的不道徳」や「同性愛のライフスタイル」を容認しないというポリシーに反していると主張する手紙が届いたのだそうです。

「ティンバーレイク・クリスチャン・スクールが敬虔な、聖書を信じる教育機関であり、まぎれもなくキリスト教的な環境で教育を提供しているということはお気づきかと思います」と彼女の祖父母宛の手紙には書かれていた。

「サニーとその家族が、神がサニーを女性としてお創りになったこと、サニーの服や行動は神によって定められたアイデンティティーに追随する必要があることをはっきりと理解しない限り、TCSはサニーの今後の教育には最良の場ではないと、私どもは信じております」

You're probably aware that Timberlake Christian School is a religious, Bible believing institution providing education in a distinctly Christian environment,’ the letter to her grandparents read.

‘We believe that unless Sunnie as well as her family clearly understand that God has made her female and her dress and behavior need to follow suit with her God-ordained identity, that TCS is not the best place for her future education.’

大仰な語り口ですが、要するに女の子がフェミニンな格好をしないのは気に入らん、改めないなら出てけという意味ですな。

しかし聖書の中には「女の子がTシャツとジーンズを着るのを禁ず」なんて記述はひとつもないはず。あるのは豚を食うな、水の中にあってひれとうろこがないものは食うな、混ぜ織りの服は着るななんて記述だけど、先生たちはこれを守れているのでしょうか。厳密に守っていたら米国人が大好きなベーコンも食べられないし、シュリンプ・カクテルもボストン・ソフトシェルクラブも駄目、寿司なんてもってのほか、運動時も綿100%の服とかで汗だらだらになってなきゃいけないんですが。他人を鋳型に押し込めたいときだけカミサマを持ち出すのは、偽善っていうのよ。

ハフィントンポストによると、この学校でサニーさんの格好が問題視され始めたのはPre-Kindergarten(日本で言うと幼稚園年中組)の頃だったそうです。がん患者にウィッグを贈るプログラムのため髪を切ったサニーさんが男の子っぽい格好をしたがるようになって、以下のようなことが起こったのだとか。

「ある先生がわたしに、あなたは保護者なのだからあの子をコントロールする必要があると言い、サニーが従わないようならトイレに連れて行ってお尻を鞭で叩けと言ったのです」と、トンプソン(訳注:サニーさんの祖母、ドリス・トンプソンさんのこと)は話した。

"A teacher told me I was the parent and I needed to control her, and if she didn't obey I needed to take her in the bathroom and whip her butt," Thompson said.

ひっどい話。体罰礼賛派の馬鹿教師は、日本だけじゃなかったのね……! ドリスさんはこの教師の言うことは聞かず、かかりつけ医に相談して、サニーさんをそのままにしておいたのだそうです。

「ズボンとシャツを着て泥の中で遊んだりしたがる子に、いけません、髪にピンクのリボンをつけなさい、髪の毛を長く伸ばしなさいだなんて、どうして言えるでしょう。そんなことできますか? わたしにはできませんよ」と ドリス・トンプソンは語った。

‘How do you tell a child when she wants to wear pants, a shirt, and go out and play in the mud and so forth, how do you tell her, no you can't, you've got to wear a pink bow in your hair, and you've got to let your hair grow out long, how do you do that? I can't do that,’ Doris Thompson said.

現在、サニーさんはティンバーレイク・クリスチャン・スクールをやめて、公立校に通っているとのこと。祖父のキャロル・トンプソンさんによると、彼女は友だちのいる元の学校を恋しがって、「毎朝バスに乗るときと家に帰ってきたときに泣いている」そうです。かわいそうに。

ちなみにこの学校はこの件でずいぶん評判を落としたようで、今「Timberlake Christian School」で検索したら、Googleのクチコミが5段階中1.3になってました。また、ワンダーウーマン役で知られる女優のリンダ・カーターが、Facebookでサニーさん宛の励ましのメッセージを公表したりもしています。内容はこんな。

小さなサニー・ケイルに愛を贈ります! くじけないで、ありのままの自分を愛してね…短い髪も、スニーカーも、何もかも。

Sending love to little Sunnie Kahle! Stay strong and love who you are..short hair, sneakers and all.

同じメッセージをあたしも送りたいです。