石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

レズビアンの元海軍軍人(74)、妻と同じ墓に眠れず

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米アイダホ州の退役軍人事業部(Division of Veterens Services)が、74歳の元米国海軍軍人でレズビアンのマデリン・テイラー(Madelynn Taylor)さんの、故郷の退役軍人墓地で妻と共に眠りたいという申し出を拒否し続けています。拒否の理由は、「アイダホでは同性婚が認められていないから」。

詳細は以下。

Gay Navy Veteran Told She Cannot Be Buried Alongside Her Spouse

テイラーさんは2008年、妻のジーン・ミクサー(Jean Mixer)さんとカリフォルニア州で結婚。ミクサーさんはその後2012年に亡くなりました。しかしながら、アイダホ州退役軍人事業部は、ミクサーさんの遺灰を退役軍人墓地のテイラーさんの区画におさめることを拒否。理由は、(男女間の結婚以外は認めないとする)アイダホ州憲法を守らなければならないからだと同事業部は説明しています。

ちなみに、「同じ区画」と言っても、何も土を掘って埋葬しろと言っているわけではないんです。退役軍人墓地には火葬された灰を入れた骨壺を納めるための壁龕(こんなの)があり、その中の自分用の区画に妻の遺灰を納めたいと言っているだけ。異性愛者の退役軍人なら、当然のように認められていることです。

……連邦最高裁がDOMA(結婚は男女間だけのものとする連邦法)に違憲判決を出した後でもまだこれかよ! フタを開けて骨壺納めてまた閉じるだけのことぐらい、やってやれよ!!

なお、同性カップルの場合、国立の退役軍人墓地であれば配偶者と同じ区画に遺灰を納めることが可能なんだそうです。しかし、テイラーさんの故郷であるアイダホ州ボイシ(Boise)には、州立の退役軍人墓地しかないとのこと。

「驚きはしません。わたしは70年間ずっと差別されてきましたから、生きている間と同様死んでからも差別されても不思議ではありませんよ」とテイラーは語った。

“I’m not surprised. I’ve been discriminated against for 70 years, and they might as well discriminate against me in death as well as life,” Taylor said.

SheWired によれば、テイラーさんは故郷以外の墓に入る気はなく、死ぬまで平等を求めて戦うと述べているとのこと。たとえ生きている間には権利が認められなくても、「法律が変わったとき、一緒に納めてもらえるように」と、書類と遺灰を誰かに託しておくつもりだそうです。

よく同性婚について関心の薄い方が「結婚なんて形式だけのことなのにー」とか「愛があれば法律なんか気にしなくてもー」とかおっしゃってますが、寝言は寝て言えとしか思えません。その「形式」のせいで死んだ後まで扱いに差をつけられてんのよこっちは。愛があるからこそパートナーと共に生き、共に眠らせろっていう話なんだよっ。