石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『Faking It』1×03 "We Shall Overcompensate"感想

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米MTVのティーンエイジ・レズビアン・コメディ、第3話。学校の抗議活動に燃えるリアムにカーマはメロメロ。エイミーはついに自分の本心に気づき始めます。厄介な伏線が増え、今後の波乱も予想されますが、エイミーの傷心には一抹の救いが出てきた感じ。

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Faking It Season1 S01E03 1x03 Promo We Shall Overcompensate HD - YouTube

今回見逃せないのは、カーマが歌うシーンとローレンの悪役っぷり、そしてラストのエイミーとショーンの会話。まず、カーマ役のケイティー・スティーブンス(Katie Stevens)は、『アメリカン・アイドル』出身だから歌えて当然なんですよ。そのケイティーがギターを弾きながら歌う場面は、やはり見ごたえがありました。次にローレンは、ピザを持って乱入するシーンで初期『Glee』のスー先生なみの魅力的な悪役ポジションを獲得したかと。およそどんな話でも、強烈な悪役あってこそ初めて主人公が輝くもの。そういう意味で、このドラマは基本を手堅く押さえていると言えるんじゃないかと。

もちろんローレンのキャラ造形に関しては、「あまりにベタすぎる」という批判もあり得るとは思うんですよ。しかし第2話でわざわざシェーンにローレンのことを“so two-dimensional she’s practically a character in ‘Glee,’”(『あまりに薄っぺらくてまるで『Glee』のキャラみたい』)と称させているところから見て、製作側はローレンをドラマ的ベタキャラの1種のパロディーとして描いているのではないかと思います。ローレンが典型的なクイーン・ビー、またはバービーー人形、またはチアリーダータイプの高慢女でありつつ、やってることがことごとく間抜けなのも、そういう狙いがあってのことでは。その間抜けさが憎めなくて、なんだか好きです。

最後に、エイミーとショーンの会話シーンについて。ネタバレ防止のため詳細は伏せますが、ショーンがますます好きになってしまう名場面でした。このショーンくん、第1話の時点から「よかれと思って人をアウティングしちゃう困った人」であるはずなのにどうしても憎めない奴だったのですが、ここに至ってさらに魅力を発揮しまくっています。多少非PCな台詞もあるものの、そこは彼の相変わらずの勘違いさんっぷりを表すための演出だとあたしは見ました。この先、彼はお話をかき回す<トリックスター>としてだけではなく、主人公に助言を与える<仲間>キャラとしてもいろいろ活躍してくれるんじゃないかと期待中。

このドラマ、一歩間違うとただのお涙頂戴的な「女同士であるがゆえの悲劇」一色にもなりかねないと思うんです。今のところそうなっていないのは、ショーンが笑いやちょっとした希望を提供してくれているから。そういう意味でも、彼はとても重要なキャラだと思います。まさにそのお涙頂戴こそを求めて百合/レズビアンものを見る人もいるんだろうけど、あたしゃそういうの嫌だし。今はもう21世紀なんだから、そういう「90年代後半臭い」のはお断りなのよっ!