石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アントニオ・バンデラス「病気なのはゲイではなく同性愛嫌悪の人たち」

Antonio Banderas: Level 3 (La Lupa)

俳優のアントニオ・バンデラスが、TVの取材に対し、「病気なのは同性愛者ではなく同性愛嫌悪の人たち」「同性愛者の方がよほど健康的な生活をしている」と語りました。

詳細は以下。

Antonio Banderas lucha contra la homofobia

上記リンク先によると、アントニオ・バンデラスは写真展『Women In Gold』の宣伝でペルーを訪問中、地元TV局「Canal N」のインタビューで以下のように話したとのこと。

「同性愛者は病気だと思い込んでいる人たちすべてに言いたいのですが、本当に病気なのは同性愛嫌悪の人たちの方ですよ。ばかげた不寛容な考えで他の人を非難する人たちこそ、解決せねばならない深刻な問題を抱えているのです。この意味で、同性愛者の方がよほど健康な生活をしていると思いますよ」

" A todos aquellos que creen que los homosexuales son personas enfermas, les diría que los verdaderos enfermos son los homófobos. Quienes juzgan a los demás desde un punto de vista irracional e intolerante son los que realmente tienen un grave problema que deben solucionar. En este sentido, me parece que los homosexuales llevan una vida mucho más saludable"

また彼は、自身が出演した映画『セクシリア』(1982)での、イマノール・アリアスとの男同士のセクシュアルな場面が騒がれたことに関しては、こう。

「映画の中の暴力はナチュラルに受け入れられるのに、ふたりの男がスクリーンの中でキスしているのには頭を抱えっ放しだなんて、笑ってしまいます。世界は矛盾に満ちていますね」

"Me hace gracia que se acepte la violencia en el cine con total naturalidad y nos sigamos llevando las manos a la cabeza cuando dos hombres se besan en pantalla. El mundo está lleno de contradicciones",

おおおおお。先日のエントリ「男同士のキスシーンに苦情。劇団が出したパーフェクトな回答とは?」にも通じるナイス発言ですね。アントニオ・バンデラス、心強い味方だわ。まるでギターケースから取り出した二丁拳銃でホモフォビアを思いっきり蜂の巣にしてもらったかのようで、すっきりしました。

以下余談

上記のような話を紹介すると、「人を病気扱いするな! おまえたちこそ『ばかげた不寛容な考え』で人を非難してるじゃないか!」と鸚鵡返しで怒り出す方が必ずいらっしゃると思います。そこで、まずホモフォビックな人々が同性愛者に対してどのような「ばかげた不寛容な考え」を抱き、それに基づいてどんなことをしているのか、実例を挙げてみましょう。

……こういうことに日々邁進していらっしゃる方々が健康的であるとは、あたしには思えませんね。どう見ても「解決せねばならない深刻な問題」を抱えた人たちであり、アントニオ・バンデラスの言ってることは正しいと思うわ。

念のために言っておきますが、ここまでひどいことはしなくたって、「同性愛は生物学的におかしい」だの「子供を作れないからダメ」だのと唱えてゲイバッシングすることだって、じゅうぶん「ばかげた不寛容な考えで他の人を非難する」行為に相当しますからね。何がどうばかげているのかについては以下参照。

さらに言うと、コロンビア大学の研究では、同性愛者に対する偏見が強い人はそうでない人より早死にしやすいと言われており、怒りや高血圧が心疾患のリスクを高めている可能性が示唆されています。ホモフォビックな皆さまにおかれましては、つじつまの合わない理屈で同性愛者を叩くヒマがあったら、まずくれぐれもご自分の健康にお気をおつけになっていただきたいものですね。