石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『バナナのナナ(2)』(鬼八頭かかし、マッグガーデン)感想

バナナのナナ(2) (ブレイドコミックス)

バナナのナナ(2) (ブレイドコミックス)

まさかのガチ百合エンド(セックスあり)

友情と冒険のバトルファンタジー、最終巻。まさかのガチ百合(セックスあり)展開となってます。どうやら打ち切りだったらしく、話の詰め込みっぷりがすごいのですが、最終話の吹っ切れたハチャメチャ具合はかえって痛快。つくづく連載終了が惜しまれます。

まさかこう来るとは……!

巻の前半はそれほど百合っぽくもないんですよ。葡萄が仲間に加わったことで1種の三角関係状態となり、ナナが「2人の美少女に挟まれてモテモテのエロゲー主人公」状態でヘラヘラしていたりはしますが、それだけ。ありていに言って凡庸。だからこそ一層、最終回でのナナの大告白から全裸セックスという展開には度肝を抜かれました。まさか、こう来るとは……!!

同性愛者の目から見て、ナナと林檎のセックスシーンに妙な点がまったくないとは言い切れません。しかし前後の文脈も(多少無茶ではあるけれども)きちんと構築されているし、愛もあるしエロい(重要)し、そこから最終ページまでのアクションや感情面での盛り上がりもいいしで、なんだかもう力技で納得させられてしまいました。そんなわけでエロありの百合をお探しの皆さん、買いですよこの漫画!

ストーリーは急ぎ足

最後のエピソードまでの流れは説明台詞が多く、新キャラも過剰気味。大人の事情で話を短縮せざるを得なかったためにこうなったのではないかと思われます。1巻での水上春子の伏線が完全に放置されているところは、特に残念。

しかし、ラスト2話の思い切りのよさに至っては、もはや伝説の域かと。いきなり話が2年後にすっとび、何やら魅力的な味方キャラが複数増えているところにまず仰天。そのキャラたちの見せ場がいちいち鮮やかで、「本来ならどれだけ話を膨らませられたキャラだったことか」と唸らされました。ラストバトルのハチャメチャさ、言い換えるならスケールの大きさも楽しかったです。このノリでもっともっと何冊も読みたかったなあ。

まとめ

微百合なだけの友情冒険ものかと思いきや、意外にもド直球の百合ラブストーリーとして完結。大人の事情で話の展開が駆け足気味になってしまっているところは残念ですが、愛もエロも最後のはっちゃけ具合もすばらしく、1巻以上に好きな作品となりました。なぜこれが打ち切りなのだ。納得いかん。