石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米コネティカットのハイスクールで、初のゲイ男子プロムクイーンが誕生 

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米国コネティカット州のダンバリー・ハイスクール(Danbury High School)で、開校以来初のゲイ男子のプロムクイーンが誕生しました。

詳細は以下。

Connecticut High School Crowns First Gay Male Prom Queen / Queerty

クイーンに選ばれたナシル・フレミング(Nasir Fleming)さんはこんな人。

ティアラを戴く瞬間。周囲の生徒からはスタンディングオベーションが起こっています。


Gay Teen Crowned Prom Queen - YouTube

フレミングさんはもともと学校で同性愛者としてカミングアウトしていたとのこと。クイーンになれたことで「仲間たちがどんなにすばらしくて、かつ協力的なのかわかって驚いた」そうです。

プロムクイーンを目指した動機について、彼は以下のように述べています。

ぼくがプロムクイーンになりたいと思う主な理由は、もしも勇気あるおかしなゲイの子がプロムクイーンになれるのなら誰でもなれるということを、全校生徒に、そしてできれば世界に示したいから! このメッセージは主にトランスジェンダーの人に向けたものなんです、というのはトランスの人たちはただ単に自分自身でいるというだけであまりにたくさんのバックラッシュに直面しているようですから。もしぼくが自分のジェンダーを越えてタイトルを勝ち取れるなら、トランスジェンダーの人々を含めて、どんな人でもタイトルを手にできるはず。

ぼくはまた、LGBTユースに、ぼくらの人生の目的は自分自身を幸せにすることだと示したいとも思っています。ぼくらは受け入れられるため社会規範に始終従うけれど、自分自身の完璧に申し分のない部分を意図的に避けるだなんて、容認しがたいです。ぼくたちは未来の革新者です。ぼくたちこそが未来であり、変化は起こせるのです。

My main reason for wanting to win prom queen is to show the school, and hopefully the world, that if a spunky, odd gay kid can win prom queen, then anyone can! This message is mainly for transgendered people, because they seem to face so much backlash for simply being themselves. If I can win a title that is out of my gender, anyone else should be able to, including transgendered people.

I also want other LGBT youth that our main purpose in life is to make ourselves happy. Very often we conform to societal norms in order to be accepted, and it is not acceptable for us to shun a perfectly fine part of ourselves. We are the innovators of the future, we are the future and we can make a change.

うんうん。ほんと、この子たちこそが未来だわ。こういうティーンエイジャーががんばっていること、そしてそれをサポートする生徒たちがいることを、本当に嬉しく思います。

さて、ここで「プロムクイーンやプロムキングという制度そのものがジェンダー役割固定的で問題なのに、それに迎合するのか」とか、「トランスジェンダーはジェンダーを『越えて』いるのではない(もともとのジェンダー通りに生きようとしているだけ)」とかいう批判もありうるとは思うんですよ。でも、この子が言いたかったのはそういうことではないんじゃないかな(納得がいかない方は、ぜひ元記事コメント欄での本人による説明も読んでみてください)。彼がいちばん訴えたかったのは、上記引用部分のしめくくりの、「変化は起こせる」という部分だと思うんです。そこに惜しみない拍手を贈るよ、あたしは。