石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米10代ゲイ少年、勤務先でホモフォビックな名札着用を強制される

Luncho
Luncho / Richard Elzey

米サウスダコタ州の16歳少年が、勤務先のファストフード店の店長から"GAYTARD"(『知恵遅れのゲイ』を意味する罵倒語)と書かれた名札を着用するよう強制されたと主張しています。

詳細は以下。

KELOLAND.com | Yankton Teen Alleges Discrimination From Name Tag

タイラー・ブラント(Tyler Brandt)さんは同性愛者で、同州ヤンクトン郡にあるメキシコ料理のファーストフード店「タコ・ジョンズ」で働いていました。働き出したときから同店のジョン・スコット(John Scott)店長に暴言を浴びせられ、2014年6月23日、この名札をつけろと言われたと彼は言っています。

"GAYTARD"というのは"gay"(ゲイ)と"retard"(知的発達の遅れた人)を合わせて作られた侮蔑語。日本語にするなら「池沼ゲイ」あたりでしょうか。よく見ると名札にはハートマークがつけられていますから、それも含めて表記すると「♡池沼ゲイ♡」。

「店長はぼくを事務所に引っ張っていって、『池沼ゲイ』と書いてある名札をよこし、それをつけろといいました。それで、そうしました。店長を怒らせたくなかったし、彼はずっとぼくをクビにする理由を探していたので、もし何か怒らせるようなことをしたら職を失うと思ったんです」

"He pulled me into the office and gave me a nametag that read 'Gaytard' on it and asked me to wear it. So, I put it on because I didn't want to upset him and I felt that if I did do anything to upset him, it would cause me to lose my job because he'd be looking for ways to fire me," Brandt said.

その後、名札を外していいかと尋ねてもダメだと言われ、退店時間までずっとそのままだったそうです。ブラントさんはお客さんに名札が見えないよう隠そうとしていましたが、店長は店内でわざわざ口に出して彼を「池沼ゲイ」と呼び続けていたとのこと。結局ブラントさんは翌日この店を辞め、証拠としてこの名札を手元にとっておいたんだそうです。

その後、ブラントさんの友達がこの名札の写真をタコ・ジョンズ本部のFacebookページに投下し、2度とこの店には行かないと書き込んだため、事態は一気に世に知れ渡ることに。

Yankton Press & Dakotanによると、スコット店長は以下のように話しているそうです。

「タコ・ジョンズには誰も差別しないという方針があります」

“At Taco John’s, we have a policy that we don’t discriminate against anyone,”

スコット氏によればこの1件にかかわっていたのは店長とブラントさんともうひとりの従業員で、「全員がふざけていた」のだそうですよ。

「この店では全員にニックネームがあるので、彼(訳注:ブラントさんのこと)はニックネームを欲しがりました。(『池沼ゲイ』は)彼が選んだニックネームだったんです。名札の強制はしていません。彼が自分で、店長に名札を作ってほしいと頼んだのです」

“Everyone has a nickname here, and he wanted a nickname. (Gaytard is) what he picked for a nickname. He wasn’t forced to wear the name tag. He asked the manager to make that name tag for him.

ブラントさんは現在、法的措置を考えているそうです。

どう考えたって同性愛嫌悪に基づくハラスメントでしょ、これ。百歩譲ってスコット氏が言っていることが正しかったとしても、従業員がそんな名札をつけると言い出したらそこで止めるのが店長の仕事のはず。発端がどこにあったにせよ、わざわざマイノリティに対する侮蔑語を書いた名札を使わせた時点で問題だし、それで「誰も差別しない」だなんて、ありえません。がっつり訴えられて思いっきり搾り取られてしまえ。

ちなみにニューヨークで働くレズビアンのシェフが、職場の集まりで彼女の性的指向を「祈りで治す」としてお祈りしていた上司を訴えたケースでは、法廷は計160万ドルの損害賠償を命じています。今どき性的指向によるハラスメントはそれぐらい重いことなのに、まともな研修もしてないんですかこのフランチャイズは。