石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

配偶者の性別移行で同性婚になった豪議員、「誇りに思う」とラジオで発言

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オーストラリアのジャネット・ライス(Janet Rice)上院議員が、28年連れ添った配偶者が女性に性別移行(トランジション)したため同性婚の状態になったことを「とても誇りに思う」と発言しています。

詳細は以下。

Australia: Greens Senator ‘very proud’ to be in same-sex marriage after wife’s transition · PinkNews.co.uk

ライス上院議員の妻ペニーさんは出生児には男性とされましたが、11年前から性別移行を始めています。オーストラリアの法律では同性婚は認められてないものの、ライス議員によればふたりの婚姻は法的に有効なままだとのこと。

で、2014年7月16日、同議員はABC(オーストラリア放送協会)のラジオ番組のインタビューで「慣習に従わない家庭生活」について質問攻めにされたのだそうです。

議員は自分たちの関係を「とてもノーマル」だとして、こんな風に説明しています。

「わたしたちは結婚していて、それからペニーが、ピーターからペニーに移行したんです――そのまま結婚を続け、今もお互い愛し合っています。

「オーストラリアではとても稀な、同性同士で結婚したカップルのひとつであるという状態をとても誇りに思っています。オーストラリアの他の同性カップルたちもぜひわたしたちと同じ機会が持てるようになってほしいと思います」

“We were married, and then Penny transitioned from Peter to Penny – we stayed married, and we still love each other.

“We’re very proud of our status as one of the very few same-sex couples in Australia who have been legally married here, and we really want other Australian same-sex couples to have the same opportunities as us.”

そう言えば、お隣のニュージーランドでも、旧宗主国のイングランドでも同性婚が法制化されているのに、オーストラリアはまだなんですよね。首相もあんなだしね。

ライス議員は、トランスジェンダーのカップルの多くは別れてしまうが、それでも一緒にいることは可能であり、自分たちはそのことを示す好例なのだと説明しています。

「先ほど申し上げたように、わたしたちはまったく同じままなのです。以前と同じ、愛あるカップルです」

I said, we’re just the same; we’re the same loving couple that we were then.”

インタビューではさらにライス議員本人のセクシュアリティや、ペニーさんの性別移行が子供に与えた「影響」についてまで訊かれたそうですが、議員は「なぜそんなに興味を持つのかわからない」「自分たちはどこにでもいるありふれたオーストラリアのカップル」と回答。

「(多様性を認めるということは)おそらくわたしの政策の中でもとても重要なことだと思います」と彼女は結論づけた。「確かにわたしは上院議員としてここにいますが、それはつまり、わたしを選出してくれた、限りなく多種多様な人々と同等の存在としてここにいるということなのですから」

“I think [acknowledging diversity] is probably a very important thing in my politics,” she concluded. “Yes, I’m here as a senator, but I’m here as an equal with the people I’m representing, of huge amounts of difference and diversity.”

ええこと言わはる。

しっかし、ラジオ局の側がいちいちライス議員のセクシュアリティだの何だのを聞き出そうとしたあたり、いかにも下司な感じで嫌ですな。この番組が、異性婚している出演者にも常に「あなたのセクシュアリティは何ですか、ストレートですかバイですか」などと詰め寄っているのならともかく、そうじゃないのでしょうし。実際、ラジオを聞いていた人から、「リポーターのしつこい聞き方がみっともなかった」という意見も出ているようで、議員の「なぜそんなに興味を持つのかわからない」という返し方は適切だなあと思いました。