石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

米アリゾナ州務長官選のTV広告にレズビアン家庭が登場

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米アリゾナ州の州務長官候補テリー・ゴダード(Terry Goddard)氏のTVコマーシャルに、実在のレズビアン家庭が登場しました。CM内では、対立候補のミシェル・レーガン(Michele Reagan)上院議員が商取引でのLGBT差別を正当化する法律に賛成票を投じたことが厳しく批判されています。

詳細はこちら。

Lesbian Couple Featured In Arizona Dem's Ad Hitting Opponent Over Anti-LGBT Bill

CMはこちら。

このカップルはメラニー・パスカー=ブレイクリー(Melanie Puskar-Blakely)さんとトニヤ・ブレイクリー(Tonya Blakely)さん。CMの内容を一部訳すと、こんなです。

「レーガン州上院議員は、憎しみに満ちた法律の制定に賛成票を投じて、スーパーボウルを失ってでもわたしたちを2等市民にしたいと思っている人たちを支持したのです」パスカー・ブレイクリーは言う。「そのような経歴があるのに、どうして彼女が州務長官として公正であると信じられるでしょうか?」

"State Sen. Reagan voted for that hateful legislation and stood with those who would make us second-class citizens, even at the risk of losing the Super Bowl," Puskar-Blakely says. "With that record, how can we trust her to be fair as Secretary of State?"

いくつか解説しておくと、まず「憎しみに満ちた法律」というのは、信教の自由を盾に、州内のビジネス(企業、組合、個人、教会など)がLGBTの人たちへのサービス提供を断る権利を認めるという法案「SB 1062」のこと。共和党優位のアリゾナ州議会は2014年2月にこの法案を可決しましたが、知事が拒否権を発動したため、成立には至っていません。ちなみに統計によれば、アリゾナの有権者の66パーセントがこの法案に反対なんだそうです。

「スーパーボウルを失ってでも」というのは、アリゾナスーパーボウル開催委員会(Arizona Super Bowl Host Committee)もまたこの法案に反対しているから。同州では2015年に「スーパーボウルXLIX」の開催が予定されているのですが、もし中止になれば州経済への打撃は免れないとして、経済界からも同法案への反対意見が出ていました。

このCMで批判されているミシェル・レーガン州上院議員というのが、またよくわからない人でしてね。「SB 1062」に賛成票を投じたくせに、知事が拒否権発動した後で「知事に勇気と良識があってよかった」「正しい判断だった」と誉め称える声明を出したりしてるんです。何がしたいのいったい。「アタシ本当はこの法案に反対だったんだけど、共和党のみんなが賛成しろって言うからそうしただけなのー☆」アピール? それとも、素でこの法案の意味がわからないまま賛成してたわけ?

いずれにせよ、「SB 1062」の何が問題なのかわかってなかった人を州務長官にするだなんて、恐ろしすぎるわ。ビジネスの場でのLGBTへのサービス拒否っていうのはこれまでにも全米で起こっていて、典型的なのは同性カップルのホテル宿泊拒否とか、結婚式の挙式お断りとか、ウエディングケーキの販売拒否とか、レストラン(ファーストフード店含む)から追い出されるとかいうパターンです。このCMのご家族がそんな目に遭っても「信教の自由」で片付けられてしまうだなんて、冗談じゃない。州務長官選で有権者の皆さんが良識を発揮してくださるよう、祈っています。