石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米第9巡回控訴裁、ネバダなど5州での同性婚禁止を解除

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2014年10月7日、米国の第9巡回控訴裁判所が、ネバダ州とアイダホ州での同性婚禁止を違憲とする一審の判断を支持する判決を下しました。この判決はアラスカ、アリゾナ、モンタナにも適用され、計5つの州で新たに同性婚が認められることになります。

詳細は以下。

米国の同性婚、さらに5州で解禁へ 禁止法に違憲判決 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

判決文がまたいいんですよ。

同控訴裁の判事3人は判決文で「州当局による性別に基づいた意図的な差別は、(合衆国憲法の)平等保護条項(Equal Protection Clause)に違反している」「アイダホとネバダの同性婚禁止は性別に基づいたものであり、これらの禁止法は、性別役割に関する『不当で時代遅れかつ過度に広汎なステレオタイプ』を存続させる役割を担っている」「したがってこれら禁止法は、容認できない性差別として消えなければいけない」と結論付けている。

BuzzFeedで紹介されている、以下の部分も重要かと。

我が国の歴史から得られる教訓は明快である。分離をやめ社会的な一体化をもたらすことは、我が国のもっとも重要な制度を弱めるのではなく、むしろ強化するのだ。学校での人種差別を撤廃したときには、教育がより良いものとなった。ブラウン対トピカ教育委員会裁判(1954年、347 U.S. 483, 492-95)を見よ。女性を陪審員に迎え入れたときには、この国の民主主義がより力強いものとなった。テイラー対ルイジアナ裁判(1975年、419 U.S. 522, 535-37)を見よ。レズビアンやゲイの軍人が性的指向を隠さず勤務することを認めたときには、部隊の結束が高まった。ウィット対空軍裁判(第9巡回控訴裁2008年、527 F.3d 806, 821 n.11)を見よ。同性カップルが異性カップルと同じように結婚するとき、彼らはあらゆる人に対して、愛ある関係の手本としての役割を果たすだろう。

The lessons of our constitutional history are clear: Inclusion strengthens, rather than weakens, our most important institutions. When we integrated our schools, education improved. See Brown v. Bd. of Educ. of Topeka, 347 U.S. 483, 492-95(1954). When we opened our juries to women, our democracy became more vital. See Taylor v. Louisiana, 419 U.S. 522, 535-37 (1975). When we allowed lesbian and gay soldiers to serve openly in uniform, it enhanced unit cohesion. See Witt v. Dep't of Air Force, 527 F.3d 806, 821 n.11 (9th Cir. 2008). When same-sex couples are married, just as when opposite-sex couples are married, they serve as models of loving commitment to all.

「ウィット対空軍裁判」に聞き覚えがあると思ったら、みやきち日記で5年前に紹介してたんでした。当時まだ有効だった"Don't ask, don't tell"ポリシーのために空軍を解雇されたマーガレット・ウィットさんのため、軍の仲間たちが「部隊の士気を低めるのは、(同性愛者が部隊内にいることではなく)『ウィットがクビにされるのを見ること』だ」と証言したんですよね。

なお、米国ではこの前日、連邦最高裁の判断により、同性婚可能州が計30州に拡大される見込みとなったばかり。そこに新たに5州が加わったことで、この数字が35州に増えました。Freedom to Marryによれば、これで米国人の64パーセントが同性婚を法的に認めている州に住むことになるのだそうです。

今回の判決を祝う、ネバダ州ラスベガスのLGBTQ団体の皆さん。

同じくラスベガスの世界最大の観覧車「ハイ・ローラー」も、この判決を祝してレインボーカラーになりました。

おめでとうございます!