石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

英9歳少女、カミングアウトしたゲイ教師に心温まるお手紙

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英国の9歳少女が、ホモフォビックないじめについての授業中に自ら同性愛者であることを明かした先生に対し、心温まるお手紙を書きました。

詳細は以下。

A 9-year-old girl gave this heartfelt letter to her teacher after he came out as gay · PinkNews.co.uk

以下、手紙の内容をいくらか訳してみます。

親愛なるR先生

先生がゲイでも、これからもずっと今と同じように接します。わたしの先生についての考えは、今もこれまでとかわりません。

“Dear Mr R

“Even though you’re gay, I will always treat you the same way as I do now. I still think about you the same way as I used to.

この「わたしの先生についての考え」というのは、先生は「すてきで、すごくて、頭がよくて、最高で、勇敢」な人だというもの。この「勇敢」という点について、彼女はこんな風に説明しています。

どうして先生が勇敢かというと、自分の秘密をみんなに教えてくれたからで、それはすごく勇敢なことです。

クラスのみんなはわたしと同じように思っているから、先生はこわがらなくていいです。

Aより、キスを送ります

追しん。わたしたちみんな、先生を誇りに思ってます。

“The reason why I say brave is because you shared a personal secret which was very brave.

“You don’t have to feel scared because I know that everone in the class feels the same way as I do.

“From A x

PS. We are all proud of you”

PinkNewsの元記事では、猫の絵のついたかわいい便せんに手書きの筆記体で書かれた手紙全体の画像を見ることができます。よろしければそちらもぜひどうぞ。

さて、ネットでこういうニュースに触れると、「Facebookによくある『いい話』系のデマじゃね?」と反射的に疑ってしまうのが、すれっからしのネット民のサガ。ほかならぬあたしもそうでした。しかしね、Pinknewsは実際にこの先生に取材もして、裏を取ってるんです。

この先生のカミングアウトは、学校の「反いじめ週間」中のことでした。R先生がクラスの子たちに、「『ゲイ』ということばが侮辱として使われたのを聞いたことがある人は?」と問うと、ほとんど全員の手が挙がったのだそうです。「ゲイやレズビアンは悪いことだと思う人は?」という問いに対しても、ほとんど同じ反応が。そこでR先生は、校長の許可を得て、子供たちに自分は同性愛者だと告げることにしました。知っている人の中に少なくともひとりは同性愛者がいて、ゲイということばはR先生をも指すのだとわかってもらうためにです。以下、R先生のことば。

(カミングアウトへの)反応はすばらしかったです。たくさんの子がはっと息を呑んだりびっくりした顔つきになったりし、『彼氏はいるんですか』のような素朴な質問がいくつか出ました。でも、彼らは数分後にはすっかり慣れて、授業の続きに進みました。

“The reaction was fantastic – there were a lot of gasps and shocked looks and some basic questions – do you have a boyfriend, etc – but after a couple of minutes they were over it and we moved on to the rest of the lesson.

うちのクラスにとって、それは確かに驚きではあったものの、ひとつの情報として整理保存しておけるような、単純でかんたんなことでしかありませんでした。何の批判も追求もなく、ただ受容があっただけです。

これでわたしは、他のどの先生と同じぐらいたやすく自分の婚約者について話すことができますし、生徒たちは以前より少しわたしを知ったことになります。

“For my class it was a surprise sure but, to them, it was just something simple and easy to file away as another piece of information. There was no judgement, no follow up, just acceptance.

Now, I can mention my fiance as easily as any other teacher and my class know me a little better.

クラスの皆さん、さすが9歳とも言うべき飲み込みの早さですよね。同性愛者と直接会って話すだけで同性愛へのネガティブな態度が減るという調査結果もあることですし、そういう意味でもR先生のカミングアウトはクラス全体にとってよいことだったんじゃないかとあたしは思います。

よく性教育に関する話題で、「小学生に同性愛の存在を教えるのは早すぎる」なんてことを言う人がいますが、大間違いだと思います。子供は教えさえすればちゃんと理解できるものですし、だいたい早いも遅いもなく、当の小学生にも、小学生をとりまく大人たちにも、同性愛者は絶対にいるんですからね。生身の存在を「なかったこと」にして(あるいは強制的に黙らせて)、侮蔑的なステレオタイプをのさばらせておいて、その状態で何年もたってから突然「世の中には同性愛というものが」「差別はいけません」とかなんとか言い出したところで、いったいどれだけの教育効果があるってのよ。早いうちから筋道立てて教えた方がいいに決まってるよ。

ちなみにこのR先生、「これまで何年もたくさんの手紙やカードを受け取ってきましたが、この手紙は永遠に保存したいと思います」だそうです。だろうねえ。これからもよい授業をして、子供たちの未来を明るいものにしてあげてほしいです。