石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

ブランジェリーナ、わが子の性自認を支持

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俳優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)とブラッド・ピット(Brad Pitt)は、ふたりの子供で8歳のジョン・ジョリー・ピット(John Jolie Pitt)くんの性自認を改めて支持する姿勢を示しました。ジョンくんの出生時に割り当てられたジェンダーは女性ですが、本人の自認は男性なのだそうです。

詳細は以下。

Brad and Angelina support child John’s decision to self-identify · PinkNews

ブラッド・ピットによれば、ジョンくんはまだ2歳だった2008年の時点で「(女性名ではなく)ジョンと呼んでほしい」と主張していた模様。またアンジェリーナ・ジョリーは2010年、「ヴァニティ・フェア」のインタビューでこのように語っています。

男の子になりたがってるの……だから、髪を切らなければなりませんでした。何でも男の子のものを着るのが好きです。自分も男きょうだいのひとりだと思ってるんです。

“She wants to be a boy.. So we had to cut her hair. She likes to wear boys’ everything. She thinks she’s one of the brothers.”

以来ずっとジョンくんのアイデンティティー探索を支援していた夫妻ですが、先週末、このジョンくんが映画『Unbroken』のプレミアに短髪のスーツ姿で登場。これにより、両親が我が子の男性としての自認を尊重している姿勢が、改めて世に示されたというわけ。

写真見たけど、こらあイケメンだわ……!

こういうニュースに対して「一時の気の迷いだったらどうするんだ」みたいなことを言い出す人が必ずいるものですが、気の迷いなら単に「こうだと思ってたけど、違ってました」とでも言って、そこからまた本人が納得のいくジェンダーで(または、『ジェンダーなしで』って場合もあるかも)暮らしていけば済むだけのことじゃない? そんで親はそれを全力で応援すればいいんじゃない? 「ジェンダーの越境は生涯1度しかしちゃいけない」なんていうルールはどこにもないんですから。

8歳なら身体的な治療は(もしするとしたら、という仮定の話ですが)まだまだ先の話だし、今後「思春期に一旦Puberty Inhibitorを使って第二次性徴をブロックしておき、何年かのち再検査を受けて治療の必要性があるかどうか検討する」という手(ノーマン・スパック: トランスジェンダーの10代達が「願う自分」になる手助けをする私の方法 | Talk Video | TED.com参照)だって使える(要は、思春期に時間稼ぎができる)んですよね今なら。だから、当人に会ったことすらない外野が頭から「気の迷い」説を唱えて出生時のジェンダーに縛り付けておく必要なんて、どこにもないと思うの。本人に好きなだけ探求させてやればいいじゃん。

それにだいたい、「一時の気の迷いじゃなかったらどうするんだ」って点をまるっと無視するのは変。むしろそっちの方が危険なのに。ついさっきこのニュースをTwitterでざっと調べたら、ジョンくんの代名詞を「She」で通したり、名前をあくまで女性名で報じたり、この子をブランジェリーナの「娘」と決めつけた記事を書いてたりするメディアが多くて目の前が暗くなりましたよあたしゃ。子供の幸せを願うなら、「気の迷い」云々よりもむしろこうした一方的なジェンダー押し付けの暴力こそを心配するべきなんじゃないの? それで死んじゃう子だっているんだからね。こんな押し付けの嵐の中、ジョンくんの両親が本人の意思を尊重し支援してくれているのはすばらしいことだと、あたしは思ってます。