石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

結婚時に「結婚とは男女のもの」と唱えねばならない豪法律への抵抗あれこれ

FUTURE LEGEND just wants to block out the world.
FUTURE LEGEND just wants to block out the world. / kennethkonica

オーストラリアでは結婚時に司祭が「結婚とは男性と女性の結合」と唱えねばならないという法律があるんだそうです。つまり同性婚全否定。これをよしとしない異性カップルたちが、自分たちの式をゲイ・フレンドリーなものにするためいろいろ工夫されています。

詳細は以下。

Australians Are Trying REALLY Hard To Make Their Weddings Gay-Friendly

不勉強なあたしは、上記記事を読むまで、かの国にそんな法律があるなんて全然知りませんでした。この司祭が唱えることばは“monitum”(訓戒)と呼ばれるもので、そこに保守派のジョン・ハワード前首相が2004年、法的な結婚の定義なるものを付け加えたのだそうです。

「結婚の定義」の部分は以下のとおり。

オーストラリアの法では、結婚とは他の何者をも排除したひとりの男性とひとりの女性の結合であり、自発的に生涯にわたり締結されるものである。

Marriage, according to law in Australia, is the union of a man and a woman to the exclusion of all others, voluntarily entered into for life.

近年になって法律に「ひとりの男性とひとりの女性の結合」という文言を盛り込むというのは、米国などでも保守派がさんざんやってきたことです。同性婚法制化の波に対抗するため、あらかじめ釘をさしておくという手法ですね。しかし、自分たちの結婚式でわざわざ差別的なことをしたくないと考えるオーストラリア人も当然いて、さまざまな手法で対抗している模様。

一番ウケたやり方がこれ。あらかじめこんな貼り紙をしておいたんですって。

訳すと「ジャミーラとジェレミーより、式中の『結婚とはひとりの男性とひとりの女性の間のものである』という部分の間、耳をふさいでいただけますようお願い申し上げます。この部分は、嘆かわしくも法的に必要だとされているもので、新婦と新郎が同意するものではありません」。

貼り紙方式の他には、

  • 結婚式を2回挙げる(人を呼ばない小さな式で“monitum”(訓戒)を唱えてから、家族や友人を招いて大きな式をもう1度挙げる)
  • 司祭が規定通りのことばを唱えた後、「新郎新婦は平等な結婚を支持している」などの説明を付け加える

などの方法があるとのこと。こういうのを見るにつけ、「ゲイの味方をするのはゲイだけ」なんていうのがいかに妄言であるかよくわかりますね。ありがたやありがたや。

ちなみに同国でクロスビー/テクスターが実施した2014年の世論調査では、回答者の72%が同性婚法制化を支持すると答えていたそうです。反対派は21%、「わからない」が7%。“monitum”(訓戒)に結婚の定義が盛り込まれた2004年当時と比較するとおもしろいよ。

2004年 2014年
支持する 38% 72%
反対する 44% 21%
わからない 18% 7%

つまりジョン・ハワード前首相の努力もむなしく、世論は大幅にひっくり返っているわけです。だいたい呪術じゃあるまいし、異性婚の場で同性婚を否定する文言を強制的に唱えさせたからって、平等を支持する人が減ったりしないわよ。さっさとアホな法律を改めて、これから結婚する人たちに無駄なストレス与えないようにしてほしいわ。

あとひとつ思ったんですけど、日本人にもオーストラリアで海外挙式する人っているよね? このフレーズに疑問を抱いた人って、いなかったのかしら。このようなアンチゲイ呪術に荷担したくないカップルは、今後はできれば他の国で挙式するか上記のような対抗策をとるといいんじゃないかと、老婆心ながら思ったりしました。