石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

エレン・デジェネレス、ホモフォビックな牧師に「催眠術」ギャグで反撃

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オープンリー・レズビアンのコメディアン、エレン・デジェネレスが、「エレンは子供たちを同性愛者に変えようとしている」と主張した牧師に対し、ギャグを使ってみごとな切り返しを見せました。

詳細は以下。

Watch Ellen's Response To Christian Writer Who Says She's Turning Children Gay-The Gaily Grind

このLarry Tomczakという牧師さん、「クリスチャン・ポスト」で、「ハリウッドのゲイ・アジェンダ(ゲイの行動計画)」なるものが子供たちをゲイにしようとしていると非難したんですね。彼はどんな番組がどんな風に同性愛者を描いているかこまごまと述べ、エレンについてはこんなことを書いています。

エレン・デジェネレスは、若い女の子を惹きつけるためテイラー・スウィフトのようなゲストを出しておいて、その合間に自分のレズビアニズムと「結婚」をセレブレイトしている(訳注:ここでは『誉め称えて世に知らせている』ぐらいの意味ですが、『祝っている』とも訳せます)。

Ellen DeGeneres celebrates her lesbianism and "marriage" in between appearance of guests like Taylor Swift to attract young girls."

エレンは自らのトーク番組でこの発言を取り上げ、まず以下のような軽いジャブで切り返していきます。

  • わたし、かぎかっこつきの「結婚」なんてしてません。単に結婚してるだけ。
  • レズビアニズムをセレブレイトするってどういうことよ。あ、わかった。こうか。(ポケットからクラッカーを取り出してすぱーんと鳴らし)わたしはゲイよー!
  • (どの番組に何人ゲイキャラがいるとか、同性婚が出てきたとかいうやたら詳細な指摘について)言わせてもらうと、それってラリーがゲイなTV番組をたくさん見てるってことなんじゃないの。

でも、もっとも注目すべきは、一連のトークの最後にエレンがかます「催眠術」ギャグ。ここでエレンは「アジェンダなんて持ってません。ここにいる誰も洗脳するつもりはないけど……」と言いつつ、うずまき模様がぐるぐる回る小道具を持ち出し、「わたしの声を聞きなさい……世界の若者よ……」と、怪しい催眠術の真似を始めるんです。で、こんなことを言うの。

本当の自分として人生を生きてね。自分自身に誠実でいて。いちばん大事なのは、自分に対して誠実であるということよ。

I want you to live your lives being exactly who you are. Be true to yourself. The most important thing is to be true to yourself.

これだからエレンが好きなんだよ!

動画はこちら。英語字幕もあって、見やすいです。

余談ですけどエレンが言ってる「かぎかっこつきの『結婚』」というやつ(原文では『』ではなくダブルクオーテーションマークですが)、日本の芸能ニュースなどでもしょっちゅう見かける表現なので、よくぞ言ってくれたと思いました。ほら、有名人が同性婚していることを「『結婚』している」とわざわざかぎかっこをつけて書かれているの、見たことない? この書き方の何が問題なのかわからない方は、Z会作文クラブのかぎかっこについての以下の説明をごらんください。

◎かぎかっこ(「 」)

会話や語句を引用するとき

語句の意味を限(かぎ)ったり、強調したりするとき

goo辞書の説明でもいいかも。

かぎ‐かっこ〔‐クワツコ〕【×鉤括弧】

文章表記中などで用いる 「 」『 』の記号。会話や引用、注意語句などを示すのに用いる。→括弧

つまり、異性同士ならつけないかぎかっこを同性婚のときだけわざわざくっつけるというのは、

  • この人たちは結婚だなんて言っているようですが、(←引用)
  • 普通の結婚とは別物なんですよ!(←意味を限る)
  • 気をつけてくださいね!(←注意)

……というニュアンスをまといつかせるということなんですよ。あれって嫌だなーと思ってたんですが、英語圏でも似たような状況なわけですね。そんなところも非常に興味深い動画でした。