石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

「じいじ、話すことがあるんだよ」アメリカン長寿昼ドラで日系人ゲイキャラが日本語でカミングアウト

Days of Our Lives

2015年2月4日、米国NBCで半世紀近く放映されている人気昼ドラ『デイズ・オブ・アワ・ライブス』(Days of our Lives)で、日系アメリカ人のゲイ男性が家族に日本語でカミングアウトする場面が放映されました。

詳細は以下。

A Groundbreaking Coming-Out Story Was Told Entirely In Japanese On "Days Of Our Lives"

映像はこちら。

この回でカミングアウトするのは、日系人でプロ野球選手の「ポール・ナリタ」(クリストファー・ショーン)。プロのアスリートがカミングアウトすることで、クロゼット・ゲイの子供たちを力づけたいという思いから、彼はまず母親に、次に祖父に自分はゲイだと伝えます。英語がわからないという設定の祖父との会話はすべて日本語でなされ、その部分には英語字幕がつけられています。作中での日本語でのやりとりを文字起こしすると、こんな感じ。

祖父「元気か?」

ポール「じいじ、話すことがあるんだよ」

(中略)

ポール「今まで言わなくてごめんなさい。気を悪くしないでね」

祖父「そんなことないよ。立派だと思ってるよ。おまえは勇気があるじゃないか。じいじは、いつもそう思ってる」

このシークエンスの何が画期的かって、これでポールがテレビに出てくるゲイのアジア系主要キャラの3人目となったこと(他の2人は『How to Get Away With Murder』のオリヴァー・ハンプトンと、『General Hospital』のブラッド・クーパーだそうです)。テレビにおけるゲイキャラってあまりにも白人男性に偏りすぎてるから、こういう展開って本当に貴重なのよ!

それにしても「ごっついマッチョ男子が、あきらかに第一言語ではないとわかる日本語で一生懸命『じいじ』と呼びかけるの図」って、なんか、キュートね。「きっと小さいときから『じいじ』と呼んでいて、そのまま来てるんだなあ」と勝手にバックストーリーを脳内補完してしまいました。『デイズ・オブ・アワ・ライブス』はさすがソープオペラだけあって、殺人事件もあれば不倫も(いっぱい)あり、時には悪魔憑きまで起こるという波瀾万丈の番組なのですが、願わくばこのポールくんが今後あんまり不幸な目に遭いませんよう。