石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

イングランドで同性カップルが迎えた養子数が3倍以上に

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英国がLGBTカップルに異性カップルと同じ養子縁組の権利を認めてからはや10年。政府の統計データがある2007年から2014年の間だけで、イングランドで同性カップルの養子となった子供の数が3倍以上に増えているそうです。

詳細は以下。

LGBT Adoption and Fostering Week 2015: Number of kids adopted by LGBT couples has tripled · PinkNews

Stonewallによると、英国ではまず2002年、イングランドとウェールズで、「児童と子供法」(Adoption and Children Act)の養子縁組の条件から「既婚夫婦であること」を外す案が可決され、2005年に施行されたのだそうです。これにより、同性カップルおよび結婚していない異性カップルも養子との共同縁組が可能に。スコットランドでも2009年、「児童と子供法(スコットランド)2007」が施行され、同性カップルが養子を迎えられるようになりました。

LGBT養親/里親家庭支援団体「New Family Social」が政府のデータを集計した表によれば、イングランドで同性カップルに引き取られた養子の数は、2007年時点で90人でした。それが、2014年には340人。約3.8倍になったわけです。ウェールズとスコットランドでも、同性カップルと養子縁組した子供の数は年々増えています。数だけでなく、養子縁組全体に占めるパーセンテージも増加しており、2014年時点でイングランドでは6.7%、ウェールズで5.8%、スコットランドで2.9%の養子たちが同性カップルの元に迎えられています。

1866年創設の、英国最大の児童支援チャリティ団体「Barnardo's」の最高責任者Javed Khan氏は、次のように述べています。

Barnardo’sは、法律の改正が始まるよりずっと前からLGBTコミュニティの養親や里親を励まし、支援してきました。

“Barnardo’s has always encouraged and supported adopters and foster carers from LGBT communities, long before the legal changes were introduced.

誇りを持って言います。2014年には、12月までにわたしたちが養子縁組を手配した123人の子供たちのうち、16人はLGBTの養親のもとに行きました。割合で言えば13%です。これは、全国平均の2倍以上です。

“I’m proud to say that of the 123 children we placed for adoption in the year up to December 2014, 16 are placed with LGBT adopters – a rate of 13% – which is more than twice the national average.

このBarnardo’sとNew Family Socialが毎年春に共同開催している啓発イベント「LGBT Adoption and Fostering Week」(訳すと『LGBT養子縁組&里親養育週間』)の2015年版は、3月2日~8日です。今年は年上の子供たちや、きょうだいで一緒に引取ってくれる家を探している子供たちなど、特に養親/里親が見つかりにくい子たちに焦点を当てるとのこと。Twitterでもハッシュタグ#LGBT2015で情報発信が始まっています。

極東の国ジャパン(の、特に論理的思考が苦手な方々)が、法的効力すらない渋谷区の条例案に「同性愛を認めたら少子化になるー!」とかなんとか妄想をたぎらせている間に、他国では既にこれだけ現実的な取り組みが進められてきているわけですね。これはもうちょっと見習ってもいいんじゃないですかね。